介護現場のヒヤリハット

Q15 入浴介助を行なう際の事故防止のポイントとは?

Q15 入浴介助を行なう際の事故防止のポイントとは?

A15
 いわゆる「介護ミス」による事故で、死に至るなどの重大な結果を招きやすいのが入浴介助時のケースです。高齢者の場合、要介護状態でなくても湯船で溺れてしまったり、入浴時の体調異変に襲われる事故が多いことを考えれば、「見た目」だけでは予期できない状況把握が必要であるという緊張感が求められます。
 入浴時の事故防止のための基本としては、①入浴前のバイタルチェック、②入浴前の浴室・浴槽に対する環境チェック、③入浴中および入浴後の利用者の状態観察、④一つひとつの介助動作に際しての適切な声かけ、⑤入浴中における利用者へのメンタルケア、という5つがあげられます。これらの基本の実践を徹底し、新人職員に対しては一定期間OJTを積むことも考えます。
 ①のバイタルチェックは、その日の朝だけでなく、入浴直前に看護師によるチェックが求められます。しかしながら、手厚い看護師配置が難しい現場も多い中、そこまでの頻繁なチェックが難しいケースもあるでしょう。そこで、介護職としても、入浴直前の「本人の顔色」「皮膚の状態」「睡眠や食欲の状況」などを随時チェックし、担当看護師に伝えるという業務習慣が望まれます。
 ②については、おおむね3つのポイントがあります。1つは、浴室の床や浴槽内などが滑りやすくなっていないかなど「浴室・浴槽環境」について。2つめは湯温や脱衣所の気温など、利用者の身体にダメージを与えがちな「温度」について。3つめは、「利用者の状態にあった福祉用具などが整っているか」という点です。これらのチェックポイントをマニュアル化して、入浴直前に抜け落ちのないように点検する習慣を整えましょう。
 ③については、顔色や皮膚の状態、入浴中の息遣いなどのチェックポイントがあげられます。どのような異変が認められたら入浴を中止すべきか、また、事後的に看護師等へ報告するべきかということを、あらかじめ決めておきましょう。④、⑤については、本人に安心感を持たせることで、不自然な力が入らないようにするという目的もあります。予告なくシャワーをかけたりすれば、反射的に動いてしまうなどのリスクが高まることを常に頭に入れておくことが必要です。


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