親が元気なうちに、「明るい家族介護会議」を開催しよう
兄「母さんは、絶対に介護なんかにならないよ。あんな元気でピンピンしている」
姉「本当ね。あんなにおしゃべりだから、100歳まで生きられると思うよ」
私「父さんが倒れても、母さんがしっかりしているから、安心ね」
「親には、いつまでも元気に充実した老後生活を過ごしてほしい」と、私たち子どもは誰しも思うものです。でも、その思いがいつしか願望となり、なかには前述の会話のように、「自分の親だけは、介護が必要な状態にならない」と、根拠のない自信?に変わっている人もいます。親が年老いて、いつか介護が必要な状態になっていく「現実」からは、どうしても目を反らしたくなるものです。
しかし内閣府の『平成29年版高齢社会白書』をみると、介護保険の「要支援・要介護」に認定されている75歳以上の人の割合は32.5%。親世代では、およそ3人にひとりはすでに何らかのサポートを必要としている、というのが「現実」です。
このように、いつかは介護が始まる可能性があるという「現実」から目を反らさないためにも、ぜひおすすめしたいことがあります。それは、「明るい家族介護会議」です。ポイントは、親が元気なうちに開催すること。高齢による老化や病気の話題は暗い気持ちになりがちですが、元気なうちから、介護の協力体制や介護費用の分担方法など、将来について考える場とすれば笑顔で話しをすることもできます。
実は、この「明るい家族会議」こそ「仕事と介護の両立」の大事な準備になります。
【執筆者プロフィール】
津坂 直子/つさか なおこ
社会保険労務士、年金アドバイザー、AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士、上智大学法学部法律学科卒