塗り絵の効用③「褒めてもらおう」
どんな趣味であれ、ただ自分が好きなことをしているだけでは、脳の刺激としては弱いものです。だれかに見て批評してもらうことは、非常に意味のあることです。
しかし、人は否定されると、脳の神経細胞にはストレスがかかってしまいます。ですから否定ではなく、褒めてもらうことが大切です。褒められることで、脳の神経細胞が活性化することがわかっているからです。
塗り絵が溜まってきたら、部屋に飾って友人たちに見せましょう。褒めてもらえれば最高です。さらに続ける意欲も出てきます。あるいはSNSなどでネット上に公開すれば、「いいね」をたくさんもらうことができて、気分はよくなるはずです。
また、塗り絵の仲間を作ってお互いに見せ合って、批評しながら、褒め合うことは、お互いの脳にとって非常にプラスになるものです。日常の生活ではなかなか褒めたり、褒められたりすることは少ないものです。塗り絵がそのきっかけになるなら塗り絵のさらなる効用ということでしょう。
【執筆者プロフィール】
米山 公啓/よねやま きみひろ
医学博士(専門/脳卒中、認知症、老人医療、健康論など)。
開業医のかたわら、講演、テレビ・ラジオの出演や医療番組企画など活躍の場は広い。
著書多数。