3.口腔ケアの手順
1.うがい
まず、ブクブクうがいをして口の中に残っている食べかす等を吐きだします。義歯(入れ歯)を装着している場合は、外してからうがいをします。
うがいができない場合には、ガーゼやスポンジブラシ、軟毛ブラシ等を使って取り除きます。
2.ブラッシング
残っている歯を磨きます。粘膜は、スポンジブラシ等でやさしく擦りとります。力の入れすぎで、傷をつけることがありますので注意が必要です。
たくさんのプラーク(歯垢)が付いていると、少し時間がかかるかもしれませんが、毎回のケアがきちんとされていれば、ケアの時間は短くなってくるでしょう。
歯肉から出血する場合は、歯科受診をして原因を診断してもらいましょう。炎症で腫れていることが原因であれば、ブラッシングで改善する場合もありますが、治療が必要な場合には、治療の時期が予後に影響を与えることもあるからです。
歯ブラシの選択に悩む場合は、歯科医師・歯科衛生士に相談しましょう。古い歯ブラシでは、清掃効率が落ちます(時間も余計にかかります)ので、定期的に交換しましょう。
3.舌のケア
専用のブラシやスポンジブラシで、奥から手前にかき出すように舌苔を取り除きます。たくさんの汚れが付いている場合は、数回に分けましょう。
一度に全部取ろうとすると、つい力を入れすぎてしまうので、傷をつけてしまいますし、長時間のケアによって被介護者の疲労につながったりします。
4.義歯の清掃
義歯(入れ歯)にも毎日のケアが必要です。歯に歯垢(デンタルプラーク)が付くように、義歯にも歯垢(デンチャープラーク)がつきます。
きちんと手入れしないと、義歯そのものが細菌の温床となり、残っている歯まで虫歯になったり、歯周病が悪化したり、増殖した細菌によって誤嚥性肺炎など全身の病気を起こすリスクが高くなります。
義歯についた歯垢はブラシなどでゴシゴシこすり落とさないときれいにはなりません。洗浄剤の過信は禁物です。
洗浄剤は、ブラシでしっかり汚れを落とした後に仕上げとして使うものです。洗浄剤は使用方法をよく確認し、口腔内に入れる前に十分に水洗いをしましょう。
5.うがい
最後に、うがいをします。ブラッシングで落とした汚れを吐きだすために、しっかり行ないましょう。うがいができない場合には、吸引やガーゼ等でふき取るなどの対策が必要です。汚れを口の中に残したままで終わらないよう、最後のうがいは非常に重要です。
口腔ケア まとめ
- 介護が必要な高齢者には、口腔ケアが重要
- 自分で口腔ケアをしている人ほど、口の中が汚れていることが多い
- 口腔ケアを効率よく行なうために、口の中の観察・評価を行なう
- チェック、評価が不要な人はいない
- 口腔ケアの不良は全身状態に悪影響を与える
- 歯や義歯はブラシでこすって汚れを落とす
- 歯科医師・歯科衛生士に診てもらい、正しい評価と指導を受ける