介護保険制度の今までとこれから
介護保険制度は、年金や医療と同じく国が運営する社会保険制度の一つです。40歳以上の人に介護が必要になったとき、ヘルパーに来てもらったり、デイサービスに通うなどの費用の大半が保険からの支払いによってまかなわれます。この介護保険制度が誕生したのが2000年。今年4月で19年目に入ります。
介護保険制度は、これまで法改正による大きな変更が3回、サービスの細かい仕組みや事業者に支払われる単価等(介護報酬)の見直しが5回(消費増税時等の微調整による見直しは除く)行なわれてきました。そして、この4月からは4回目の大きな制度変更と6回目の単価等の見直しが同時に行なわれます(利用者が負担するお金に関する制度等、一部で4月以降に行なわれるものもあります)。
なぜ、これほど頻繁に仕組みが変わってきたのかといえば、大きな理由としては、高齢者が大きく増えるなかで介護保険を必要とする人も急増してきたからです。利用者の伸びを見ると、制度開始時に約150万人だったのが、16年後には3.3倍にまで拡大しました。
介護保険は、40歳以上の人が負担する保険料と国民の税金で成り立っています。利用者が増えれば、その分、保険料は上がり税金で成り立つ国の財政も厳しくなります。介護保険を運営する国としては、制度が揺らぐことを何とか防ぎたいと考えます。そのために、本当に必要な部分へとサービスを集中させつつ、効率的な仕組みへと作り変えることを行なってきました。それが度重なる制度改正やサービス単価等の見直しとなるわけです。
【執筆者プロフィール】
田中 元/たなか はじめ
介護福祉ジャーナリスト。立教大学法学部卒業後、出版社勤務。雑誌・書籍の編集業務を経てフリーに。
2018年介護保険制度の改正について
介護保険制度の今までとこれから