サービス利用料の負担はどうなった?
2000年4月に介護保険制度がスタートしてから2015年7月までは、介護保険サービスの利用料の自己負担は原則1割(給付限度額をオーバーしたり、保険料滞納があった場合などを除く)で統一されていました。それが、2015年8月に65歳以上(第1号被保険者)で「一定以上の所得」がある人に2割負担が導入されました。この「一定以上の所得」とは、年間で160万円以上となります(ただし、年金収入+その他の合計所得金額が280万円未満などのケースは例外として1割のまま)。
そして、2018年8月からは、2割負担者のうち「さらに所得が高い」ケースに3割負担が導入されます。対象となるのは、以下の2つにともに当てはまる人です。具体的には、
①年間の合計所得金額が220万円以上であること
②年金収入とその他の合計所得金額が340万円以上であること(これは単身世帯のケースで、夫婦世帯の場合は463万円以上)
です。
ちなみに医療保険では、70歳以上であっても「現役並み所得」がある人には3割負担が導入されています。介護保険も、医療保険と同様に「高齢者でも負担できる人にはもっとしてもらう」仕組みになったわけです。
ただし、1割負担だった人が一時的な所得増で3割負担に該当することになった場合など、単純に負担金が3倍になるわけではありません。介護保険の利用者負担には、月あたりの自己負担限度額が定められています。3割負担に該当する人であれば、月あたりの負担限度額は44,400円となります(世帯全員が住民税非課税の場合は低くなります)。
【執筆者プロフィール】
田中 元/たなか はじめ
介護福祉ジャーナリスト。立教大学法学部卒業後、出版社勤務。雑誌・書籍の編集業務を経てフリーに。
2018年介護保険制度の改正について
サービス利用料の負担はどうなった?