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事例4 介護の担い手が過労で倒れた!(2/2)

介護者がいなくなった。
何か方法はないだろうか?

 この日から母親の介護は、拓也さんに委ねられました。しかし、昼は酒屋、夜中はなれない介護でおちおち寝られず疲れがたまっていきます。
 こんなとき、頼みの綱の妹たちは顔を出してもすぐに帰ってしまいます。
 拓也さんはケアマネジャーに、両親の洗濯や食事の支度をケアプランに入れて欲しいと頼んだのですが、家族と同居のため、「家事援助」を入れるのは難しいと言われました。

 そこで、市区町村の実施する「公的介護保険以外のサービス」を利用しようと調べてみました。これらのサービスも、ほとんどが「65歳以上の一人暮らし、または高齢者所帯」が対象です。また、いろいろな公共の制度もありますが、「所得が低く、生計が困難な人」向けには考えられていますが、家族と同居している場合は、ほとんど対象外です。

 何とかとりあえず1ヵ月、妻が帰ってくるまで、乗り切らなくてはなりません。
 この際お金には代えられません。拓也さんはまず民間の配食サービスを見つけてお弁当を頼むことにしました。食事を定まった時間に作るのは無理なので、不規則になるからです。

有料の『配食サービス』を利用する

 インターネットなどで調べてみるとたくさんの「配食サービス」会社が、お弁当を配達してくれることがわかりました。しかも、糖尿病や透析を受けている人用まで、いろいろ工夫されています。
 拓也さんは朝食に対応してくれるA社を選び、両親のお弁当を1日2食頼みました。自分だけならどうにかなるので、自分の分は頼みませんでした。

朝食 273円×2
夕食 798円×2

(273円×2)+(798円×2) 
30日間 64,260円

 次は家事の問題です。これは、週に3日間、1回3時間程度、掃除や洗濯や、通院などに、民間のB社の家事代行、家政婦サービスを頼みました。

1回3時間 5,000円×10日=50,000円

 合わせて1ヵ月間で11万4,260円の急な出費となります。しかし、夜中の母の世話をするのは拓也さんしかいません。
 澄子さんが帰ってきても、今までと同じ無理は強いられません。拓也さんは今後の介護体制を、父親や自分、そして妹たちも含めて立て直さなければと考えています。

ワンポイント

 介護は高齢者だけでなく、家族や周囲の人々にも、肉体的、精神的、経済的な負担がかかります。負担がひとりの人に集中しないように、「手は貸せないからお金を出す」など、それぞれができることを分担することが必要です。
 そのためには、「介護の調整役」を決め、その人が皆に役割を割り振ることが大切です。

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