事例8 介護のために仕事を辞めると生活できない(1/2)
田中美和さんは一人娘で独身。一緒に暮らす母親の有子さんは圧迫骨折で腰椎がほとんど潰れて介護が必要です。仕事に行っている間、ヘルパーさんが来てくれるのですが、突然具合が悪くなり美和さんの会社に呼び出しの連絡が入ります。職場に迷惑をかけられない、かといって仕事を辞めて介護に専念すると生活費が心配です。
田中有子さんの場合
プロフィール
年齢 | 76歳 |
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要介護度 | 要介護3 |
家族 | 【同居】 美和さん(長女)52歳 |
家族の経済状況
月収 (内訳) |
合計 約46万円 有子さん 約6万円 (国民年金) 美和さん 40万円 |
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預貯金 | 美和さん 500万円 |
資産 | 自宅(マンション) 時価3,000万円 (ローン残額500万円) |
※登場人物はすべて仮名です。
働きながらひとりで親の介護
美和さんは女手一つで育ててくれた母親の有子さんとふたりで暮らしています。有子さんはもともと丈夫なほうではありませんでしたが、現在は、骨粗鬆症からくる圧迫骨折で腰椎がほとんど潰れて要介護3の状態です。生活費は美和さんの給料でまかなっています。有子さんの度重なる入院で貯蓄もあまり多くはありません。
美和さんは日中は仕事に出ていますので、デイサービスを週3日利用しています。
しかし、デイサービスは夕方5時半までしか利用できません。有子さんは6時過ぎには自宅に戻っており、9時ごろまではひとりなので、おむつが濡れても取り替えられません。
一方、美和さんも更年期障害が始まり、肉体的につらい時期です。口が利けないほど疲れて帰ったときでも、有子さんから「こんなに痛いなら死んだほうがましよ」と聞かされます。また、夜中に大声で「痛い、痛い、助けて!どうにかして!」と叫び、そのたびに起きて、座薬を入れ、背中や足をさすって落ち着かせるなど夜もおちおち寝ていられません。
田中有子さんのケアプラン | |
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ショートステイ | 月7日間 |
通所介護 (デイサービス) |
月15回 |
車いす貸与 | 1ヵ月 |
特殊寝台貸与 | 1ヵ月 |
月額248,455円 (自己負担額24,846円) |
※金額はあくまで参考価格であり、実際にかかる費用とは異なる場合があります。
美和さんはこれ以上は、自分の体がもたないと考え、ケアマネジャーに相談し、嫌がる母親を説得し、月に7日間「短期入所生活介護」のショートステイで施設に泊まってもらうことにしました。
これで、その間だけは安心して残業もでき、ぐっすり眠ることができるはずでした。
※1このページで示されている公的介護保険の利用料は自己負担1割を想定して算出されたものです。
お住まいの地域やご利用の事業所によって金額は異なります。
※2一定以上の所得がある第1号被保険者(65歳以上)は2割または3割負担となります。
2割または3割負担となる判定基準については、2割・3割負担判定チャートをご確認ください。
※3ケアプランの金額は各サービスの基本料金に介護職員処遇改善加算(加算Ⅰ)、介護職員等特定処遇改善加算(加算Ⅱ)、地域区分(1級地)を算定しています。
※4公的介護保険制度等に関する記載は2021年4月現在の制度に基づくものです。
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