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Q9 誤嚥事故を防ぐための「見守り」のポイントとは?

公開日:2017年3月18日
Q9 誤嚥事故を防ぐための「見守り」のポイントとは?

 誤嚥事故を防ぐために、食事の形状(ミキサー食や食材をムース状にしたもの、あるいはとろみをつけるなど)に気を配るケースはよく見られますが、それ以前の基本として「食事の際の見守り」にも力を注ぐことが大切です。例えば、食事をとる際の姿勢に気を配っているかどうかで、誤嚥事故を防げる確率がかなり高まります。
 人の気管部分のレントゲン写真を見ると、上半身が反り返った状態になった場合、気道(空気を肺に送り込むための道)が開きやすくなることがわかります。そのままの状態で食べ物を飲み込むと、誤って気道に入ってしまう危険が高くなります。そして、要介護高齢者の場合、背筋や腹筋が弱くなって椅子に座るとどうしても背もたれに頼る力が強くなってしまいます。
 つまり、介護する側が先のレントゲン写真のような状況を常に頭に描いていないと、知らず知らずのうちに誤嚥しやすい体勢になってしまうことがあるわけです。こうした状況を防ぐには、飲食をする際の姿勢に十分配慮しながら、以下のようなポイントを頭に入れましょう。
 まず、食卓の椅子についたなら、①後ろから本人の脇の下に手を入れて引き上げ、深く座ってもらいます。そのうえで、②身体がまっすぐにならない場合は脇のあたりにクッションをはさみます。③首から上が反り返らないようにヘッドレストなどを取り付ける方法もあります。
 また、腹筋や背筋が弱っている人が椅子に座った場合、何とか姿勢を保とうとするため、無意識に首のあたりの筋肉が緊張したりします。そのままの状態で食事をすることで、嚥下にかかる筋肉が十分に働かなくなることもあります。そこで、食事前に首筋をマッサージしたり、口を開けて歌をうたうといったアクティビティを行なうことにより、首筋の筋肉の緊張を和らげましょう。
 食事時にかきこんで食べたり、食べ終わった後、食べ物が完全に胃に送り込まれない前に横になってしまうなど、普段の生活習慣が誤嚥リスクを高めることもあります。かきこんで食べる人には「ひと休みしてお茶でも飲みますか」など、横になりたがる人は「テレビでもつけましょうか」という具合に、ちょっとした声かけをすることでリスクを減らすことができます。

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