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認知症ケアのリスクマネジメント

第1回 認知症ケアの現場に多い事故・トラブルとは

◇ポイント3 事故・トラブルを防ぐための道筋

公開日:2017年3月18日

 具体例で示したように、認知症による事故・トラブルには、①病態進行等による様々な神経系へ影響によって起こるもの、②本人の見当識の衰えによって起こるもの、と大きく2つに分けることができます。この①と②の背景をきちんと整理したうえで、防止策を講じていくことが必要です。
 介護事故・トラブル全般に言えることですが、いったん起こったケース(ヒヤリハット含む)について、原因をきちんと究明することが防止策の大原則です。
 転びそうになったから支える、(徘徊で)外に出て行ったから後を追う──というのは、いわば対症療法に過ぎません。この手法だけでケアを続けていくには、「いつ何が起こるか分からない」ことを前提にしたうえで、介助者が付きっきりにならなければなりません。これでは現場の負担は増えるばかりで、スタッフが疲弊する中で事故等の確率はさらに高まります。
 これに対し、「なぜそれが起こるのか」という原因・背景が頭にあれば、先回りをしての対処が可能になります。事故・トラブルは完全にゼロにすることはできませんが、予測を現場で共有することでスタッフに心の余裕が生まれます。こうしたスタッフ側の心のあり方は、利用者にも敏感に伝わり、不穏になる空気の発生を防ぐことにもなります。この良循環によって、事故・トラブルの発生確率を全体的に押し下げることにつながるわけです。
 では、2つの背景をどのようにキャッチし、具体的にどのような防止策につなげていけばいいかを、次回から考えることにしましょう。

第1回 認知症ケアの現場に多い事故・トラブルとは

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