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認知症ケアのリスクマネジメント

第2回 基本は「認知症を理解する」ことから

◇ポイント2 中核症状と周辺症状を分けて考える

公開日:2017年3月18日

 認知症の人は、周囲の人が理解しにくいような行動をとり、そこからトラブルや事故につながることがあります。そうした行動は認知症をもたらす疾患によるものですが、病気が直接もたらしているものと、それに対する一種の人間的な反応として表に出てくるものがあります。前者を中核症状といい、後者を周辺症状といいます。周辺症状というと、その人の「行動」だけに焦点が当たりがちですが、そこには「心理」面が大きくかかわっており、そのあたりをしっかりとらえるために昨今ではBPSD(行動・心理症状)という言葉が使われるケースが増えました。
 認知症ケアを進めるうえでは、この中核症状とBPSD(行動・心理症状)をしっかり分けて考える必要があります。例えば、アルツハイマー病による記憶・見当識の障害は中核症状にあたりますが、それによって周囲とのコミュニケーションが取りにくくなり、前回述べたように「ここは自分のいる場所ではない」という心理から徘徊にいたったり、暴言や暴力などにつながることがあります。本人の周囲とのかねあいで特有な心理や行動につながるわけで、これがBPSD(行動・心理症状)となります。
 認知症の場合、中核症状の進行を防ぐことはできませんが、周囲の気遣いや環境を整えることで、ある程度BPSD(行動・心理症状)を抑えることはできます。どちらかと言えば、事故やトラブルは直接的にはBPSD(行動・心理症状)からもたらされることを考えると、そこで生じている本人の気持ちなどを理解し、やわらげるケアを行なうことが、リスクマネジメントの基本となってくるわけです。

第2回 基本は「認知症を理解する」ことから

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