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認知症ケアのリスクマネジメント

第3回 アセスメントの充実で事故リスクを減らす

◇ポイント2 診断情報に加えてADLや生活の情報も

公開日:2017年3月18日

 専門医に対しては、正確な認知症診断をしてもらいつつ、「その他の疾患」の治療をきちんと進め、正しい服薬管理を徹底するためのアドバイスを求めます。そのうえで、認知症や内部疾患が進むとどのようなリスクが想定されるかを含め、現状と中長期的なリスク予測をアセスメントシートに記入します。
 次に、ケアマネジャーや看護師、リハビリ職と連携し、本人のADL状況を把握します。認知症によって「自分のADL状況」に対する失認(自分の身体の状態を把握できないこと)があると、「実際は自立歩行ができないのに、歩こうとして転倒する」といったケースが生じます。認知症の進行による「本人の見立て」と「実際のADL状況」のズレが把握できれば、見守りが進めやすくなるわけです。
 さらに、家族などから本人の長年に渡る生活状況などを聞き、その結果としてどのような生活観が生じているかを把握します。
 例えば、早朝に仕事に出かけていたという長年の習慣があった場合、ある一定の時間帯になるとそわそわしたり、表に出ていく欲求が強まったりします。その心理状況を把握していれば、一定の時間帯に職員と利用者が一緒に散歩などを行ない、本人の落ち着きを取り戻すというケアが考えられます。
 もう一つ重要な情報が、認知症の発症からサービスを利用するまでの状況です。その間の治療や家族による介護に混乱が生じている場合、それが周辺症状を悪化させている可能性もあります。
 こうした情報があれば、本人の心理状況をさらに深く知ることができます。

第3回 アセスメントの充実で事故リスクを減らす

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