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認知症ケアのリスクマネジメント

第4回 BPSD(周辺症状)の緩和を図るために

◇ポイント1 BPSDの悪化によって起こる事故

公開日:2017年3月18日

 認知症による事故には、中核症状の進行が原因となるケースのほか、BPSD(周辺症状*注)の悪化が関係して起こるケースがあります。
 認知症の人の場合、中核症状の進行によって「現実の世界との折り合い」をつけることが難しくなります。そのために不安や混乱にともなうストレスが蓄積し、さまざまな行動が現れます。
 たとえば、見当識の衰えによって「自分はなぜここに居るのだろうか」という不安が募るとパニックになりやすく、その場から離れようとします。これが周囲から見たときに「徘徊」と映るわけです。その結果、電車や車にはねられるという事故につながります。
 また、人は不安や混乱が高まると、とっさに行動を起こしたり、他者の介在を拒否したりします。そのために転倒したり、他者への暴言・暴力などによるトラブルへとつながります。
 異食(本来食べ物でないものを口にしてしまう)も認知症で多い事故ですが、これは「これは食べられるか否か」という見当識の衰えもさることながら、周囲への不信から「食事を食べさせてもらえないのではないか」といった心理が相まって生じやすくなります。
 いずれにしても、BPSDの悪化により、中核症状による見当識障害などが危険な行動に結びつきやすくなります。逆に言えば、中核症状が進行しても、BPSDの悪化を防ぐことで事故リスクを抑えることもできるわけです。

*注 BPSD(周辺症状)とは
(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementiaの略)
認知症の症状には、「中核症状」と「周辺症状」がある。「中核症状」には記憶障害・見当識障害・理解の低下などがあり、そこから二次的に起こる「周辺症状」は、徘徊・不潔行為・異食・人格変化・妄想などの形で現れる。

 第4回 BPSD(周辺症状)の緩和を図るために

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