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高齢者と暮らすご家族へ~身の回りに潜む「中毒事故」の危険~

掲載日:2020年2月16日

高齢者と暮らすご家族へ~身の回りに潜む「中毒事故」の危険~

中毒事故、というと乳幼児が毒性のあるものをあやまって飲みこんでしまうことをイメージしがちですが、最近では高齢者の中毒事故も増えています。家庭内で発生する死に至らない事故のうち、最も多いものは中毒事故ともいわれています(メルクマニュアルより)。家庭には意外に多くの有害となりうる物質があり、うっかり中毒事故をひき起こす危険があるのです。ここでは、高齢者に発生しやすい中毒事故や原因物質について解説していきます。

そもそも中毒とは?

そもそも中毒とは?

毒性のある物質が許容量をこえて体内に取り込まれることによって、体の正常な機能がそこなわれることを中毒といいます。中毒は、毒性のある物質を誤飲・誤食したり、吸いこんだり、皮膚や眼、口や鼻などの粘膜にふれることによって起こります。

中毒症状は、毒物の種類、量、年齢、その人のもともとの健康状態によって異なります。毒物の中には、毒性が弱く、長期間もしくは一度にたくさん摂取しなければ健康に問題を生じないものもある一方で、毒性がとても強く、少量でも重症になってしまう物質もあります。

また、摂取後、数秒で症状を生じるものもあれば、数時間から数日後にならないと症状が現れないものもあります。

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子供だけじゃない!なぜ起こる?高齢者の中毒事故

子供だけじゃない!なぜ起こる?高齢者の中毒事故

誤飲・誤食は、なんでも口にいれてしまいがちな乳幼児に起こりがちな事故と思っていませんか?たしかに、乳幼児は毒性のあるなしを区別することができませんから、大人が目を離したすきに口にしてしまう危険性があります。しかし、80歳代以上の高齢者にも中毒事故の相談件数が多いのです(消費者庁より)。

ではいったいどうして高齢者にも中毒事故が起きるのでしょうか?高齢になると視覚・味覚などの身体機能や判断力の低下、認知機能の低下などをきたします。取り扱い説明の字が小さく、読むことができずにあやまった方法で薬剤を扱ってしまうケース、毒性のあるものを口にしても瞬時に気づくことができず飲みこんでしまうケースも高齢者に起こりがちです。単純な物忘れや不注意が大きな中毒事故につながることもあります。

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日常生活のなかで起こりやすい高齢者の中毒事故

常生活のなかで起こりやすい高齢者の中毒事故

高齢者に起きやすい中毒事故の例としては下記のようなものがあります。

1.食品や薬だと勘違いして口にしたという事故

  • せんべいを食べていて、一緒に乾燥剤も食べてしまった
  • トローチと間違えて入れ歯の洗浄剤を口にしてしまった
  • PTP包装シートごと服薬してしまった

2.食品の容器に移し替えたものを誤飲誤食

  • 灯油や洗剤をペットボトルに移しかえていたのを忘れて、ペットボトルに口をつけてしまった
  • 家族が作ったお手製の化粧水が冷蔵庫にあり、飲料だと思い、飲んでしまった
  • 汚れを落とすために茶碗などの食器に入れておいた洗剤・漂白剤をうっかり飲んだ

3.あやまった用法での家庭用化学製品の使用

  • 換気をせずに家庭用化学製品(洗剤や洗浄剤)を使用したため、気分が悪くなった
  • 混ぜて使用してはいけない漂白剤を混ぜて使用してしまった

4.認知判断力の低下による誤飲誤食

  • 薬を服用したことを忘れ、重ねて服用してしまった
  • 他の家族の服用している薬を自分の服用している薬と間違えて服用してしまった
  • 認知症の高齢者が消毒剤を飲んでしまった

乳幼児ではたばこの中毒事故が多いですが、高齢者では身近にある家庭用品やいつも服用しているによる中毒が目立ちます。

高齢者では子供に比べて一度に口にしてしまう量も多いため、中毒症状を発症しやすく、重症となるケースもあります。

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中毒症状の原因物質と症状

中毒症状の原因物質と症状

高齢者に発生しやすく、家庭によくある原因物質について、それぞれのリスクや症状について解説していきます。

1.薬剤

もともと処方をうけて服薬している薬剤でも、用法をあやまってしまったり、飲み忘れたと思って重ねて服用してしまうと、薬剤が過量となり中毒にいたる可能性があります。高齢者はいくつかの病院に通っているケースもあり、知らずに同じ効能の薬剤を服用している恐れもあります。

特に高齢者は腎機能や肝機能が低下するため、薬剤の代謝・排泄がにぶくなり、薬剤が体内に残りやすいことがあります。中毒症状は薬剤の種類や服薬量によっても異なりますが、体内機能の低下によりその薬剤の副作用が強くあらわれてしまうこともあるのです。

2.内服薬などの包装

錠剤やカプセルを包装しているPTP包装シートはプラスチックにアルミなどを貼り合わせたものです。シートごと口にいれるなんてあり得ないと思ってしまいますが、高齢者の誤飲のなかで最も多いのはPTP包装シートの飲み込みなのです(消費者庁より)。PTP包装シートを飲みこむと、のどや食道、腸などを傷つけ、穴を開けるリスクもあり、重症となる場合もあります。

3.洗剤・洗浄剤・漂白剤

食器用洗剤の毒性は高くありませんが、大量に飲んだ場合は危険です。症状は吐き気や嘔吐、のどの痛み、口の中のただれ、腹痛、下痢を起こします。眼に入ると、充血や痛みを感じます。

酸性・アルカリ洗剤や塩素系漂白剤は、口の中やのど、食道、胃粘膜などがただれ、吐き気や嘔吐を起こします。原液が眼に入った場合、失明することもあるため注意が必要です。

入れ歯洗浄剤は製品によって異なりますが、毒性はそれほど高くありません。主に刺激作用のある漂白成分が問題となります。あやまって飲むと、口の中やのどの痛み、吐き気や嘔吐、胃の不快感やお腹が張ったような感じ、腹痛や下痢を起こすことがあります。

4.化粧品

化粧水には皮膚の殺菌、清涼感を与えるためにエタノールというアルコール成分が入っています。そのため、たくさん飲むとお酒に酔ったときと同じように顔の赤み、嘔吐、ふらつきが生じます。アルコールを受けつけない体質の人では、急性アルコール中毒を発症する危険性もあります。眼に入った場合には痛みや刺激感があります。

5.乾燥剤

食品の乾燥剤として用いられている生石灰(酸化カルシウム)は水分に触れると熱が発生するため、口の中やのど、食道などがただれて、物を飲みこめなくなったり、やけどや出血を起こしたりするおそれがあります。

6.ボタン電池

飲みこんだ場合、嘔吐、胸の痛み、せき、腹痛、下痢などの症状が出現し、重症例では食道や胃の粘膜がやけどに似た状態になり、粘膜に穴があく場合もあります。発見が遅れるほど重症になりやすいため、早期に受診することが大切です。

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まとめ

家庭のなかには中毒症状を起こす可能性のある物質が意外と多く、ちょっとした間違いで事故につながる恐れがあります。高齢者と暮らす家族は、中毒事故の危険性を知っておくと、生活の工夫ができ、事故の予防に役立ちますね。

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出典:いしゃまち
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記事:専門医監修

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