4.転倒を防ぐ「家の中と外 10のチェック&心掛け」
(佐々木整形外科麻酔科クリニック院長
・ロコモアドバイスドクター)
介護が必要になる原因の中でも多いのが転倒による骨折です。
ロコトレなどの運動習慣で足腰を丈夫に保つことと同様に大切なのが、転ばない生活環境を整えること。
家の中と外でできる10のチェック&心掛けで転倒を予防しましょう。
家の中チェック&心掛け


夜間のトイレや階段など足元が見えにくいと感じる。
<心掛け>
足元灯を設置して危険と不安を解消する。

スリッパや靴下を履いて過ごすことが多い。
<心掛け>
滑りにくいのは裸足。寒さ対策をする場合は滑り止めの付いたルームシューズを履く。
※ルームシューズを脱ぎ履きする際も転倒には注意しましょう。

移動するとき、物をよけたり、動かしたりしないと通れない。
<心掛け>
配置を見直し、よく通る場所には何も置かないようにする。コード類も引っかからないように壁伝いに固定する。

カーペットやキッチンマット、玄関マットに滑り止めをしていない。
<心掛け>
少しめくれていても転倒の原因に。滑り止めテープなどで固定する。

新聞や雑誌、衣類などが部屋の床や階段に置いてある。
<心掛け>
床はできるだけすっきり見える状態に保つ。
家の外チェック&心掛け


慌てて出掛けることがある。
<心掛け>
時間の余裕を持って出掛け、バスや電車など人ごみの中でもゆっくり行動する。

雨天や夜間に外出する予定がある。
<心掛け>
他の日、他の時間帯でいいならなるべく控える。外出しなければならないときは、滑りにくい靴、衣類に反射材(テープなど)をつけて安全に配慮する。

荷物やバッグを持っていて、両手がふさがっていることが多い。
<心掛け>
動きやすい服装を選び、リュックやポシェットにして両手は自由にしておく。

見た目を優先し、サイズや履き心地を我慢した靴を履くことがある。
<心掛け>
かかとが安定して、滑りにくい靴底のものを選ぶ。足に合わない靴は膝や腰に負担をかけるので避ける。

疲れやすい、遅い、怖いなど、歩くことに少し不安を感じる。
<心掛け>
不安なときは杖を使ってみると、歩きやすく、膝への負担も軽くなる。
気が付いたら閉じこもり!?
STOP こんな悪循環
外出頻度が減少して、自覚がないままに閉じこもり状態になっている人が少なくありません。
転倒が怖いから、面倒だから、と外出をためらうと、ますます足腰は弱ってしまい、放っておけば寝たきりや認知症になる悪循環に。
外出の楽しみや喜びを忘れないことも健康寿命をのばすポイントです。
転倒を防ぐ「家の中と外
10のチェック&心掛け」
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