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事例① 
身体障がい(1/2)

公開日:2021年9月19日

【Aさんの場合】
重度の脳梗塞で、上下肢ともに
大きく機能を損なった

 Aさん(67歳)は妻とふたり暮らし。
 ある日、自宅で頭痛を訴えたAさんは、そのまま倒れ意識不明となりました。緊急入院で重度の脳梗塞と診断され、手術も行なわれました。しかし、下肢および右上肢に重度のマヒが残り、自力での座位保持(座る姿勢を保つこと)も難しい状態です。

 日常生活上のさまざまな動作に介助が必要で、しかもAさんはかなりの体重があります。
 妻の介護負担も大きいので、Aさんの施設入所が検討されましたが、身近に空きのある施設がありません。当面は在宅で、介護保険の定期巡回・随時対応型の訪問サービスを使うことになりました。また、家で使う車いすは介護保険の福祉用具のレンタルを利用しています。

 しかし、Aさんの体格や座位保持の難しさなどから、福祉用具専門相談員からオーダーメイドで座位保持装置の付いたものを使った方がいいのではと提案されています。

Aさんは何が活用できる?

介護保険の福祉用具で
賄えない場合は?

補装具費支給制度を活用

 65歳以上で(40~64歳の場合も特定疾病によって)介護が必要となった場合、障がい者福祉制度より介護保険の適用が優先されます。日常生活動作に必要な補装具(※1)についても、介護保険の福祉用具レンタルあるいは購入費の支給で対象となっているものは、介護保険での支給となります。

 ただし、介護保険の対象になっていないもの(事例にある座位保持装置など)や、車いすなどでオーダーメイドが必要となりレンタルになじまないというケースでは、障害者総合支援法にもとづく補装具費支給制度が適用されることもあります。

 Aさんは退院直後に身体障害者手帳を取得しましたが、補装具費の支給を受けるには、別途支給の判定を受ける必要があります。

※1 身体の欠損又は損なわれた身体機能を補完・代替する用具。車いすも補装具の一つ。

これから先のお金のことを考えて

身体障がいがある場合に
活用できる減免・割引など

 Aさんには不動産収入などの不労所得があります。そのため所得税や住民税がそれなりにかかります。日常的にかかるさまざまな生活費についても、これからAさんに医療・介護の費用がかかるため、「少しでも節約できないか」と妻は考えました。

■税金の控除
 まず、所得税・住民税の障害者控除の認定を受けることに。Aさんは、障害者手帳を持っているので控除の認定を受けることができました(65歳以上で要介護1~5に相当するなど、自治体の認定を受けた場合に、障害者手帳がなくても控除を受けられることもあります)。

■障がい者に対する減免制度
 その他、NHKの受信料(※2)や通院等に必要なタクシー代などが減免対象となります。
 体調が安定し、新型コロナ禍も落ち着いたら、「遠方の親族の法事にも出席したい」と希望するAさん。そうしたケースでは、身体障害者手帳があるので、付き添いの妻とともにJR運賃の割引も適用されます(※3)。

※2 障害の種類・等級、世帯状況などの条件があります。

※3 障害者本人と付き添いが割引対象となるのは身体障害者手帳に第1種の記載がある場合です。第2種の場合は障害者本人のみが割引対象となります。



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