3.心の老化による、高齢期の「うつ病」に注意を!
歳をとるにつれてやってくる喪失体験が、うつ病のきっかけになることも少なくありません。しかし、実際に「ふさぎ込み」や「落胆」といった、うつ病の症状が現れていても、喪失体験への反応ととらえてしまい、うつ病を見逃してしまうケースもよくあります。
以下のような状態が認められたときには、早めに専門医を受診しましょう。

高齢期のうつ病は、認知症と
混同されることがあります

覚えていないことも多くなるからです。
ただ、一般にうつ病ではつらさを訴えたり自分を責めたりする傾向があるのに対し、認知症の人の多くは自分を健康だと思っており、強い自責の念はありません。
こんなときにはうつ病が疑われます
2週間以上、落ち込んだ状態が続き、口数も少ない
食欲が低下し、よく眠れない日が続いている
大きな病気がなくても、体の痛みなどを多く訴える
不安感が強く「自分はもうダメだ」「生きていても仕方がない」と悲観する
これまで楽しんで行なっていたことを楽しめなくなっている
自分がいる場所がわからない、朝食の内容が思い出せない
「そんなに老け込んでないで」などという言葉や励ましは、
かえって心理的に追い詰めることになるので禁物です。
うつ病の心配があるときには、まず専門医に相談しましょう。
こんな心の病気も起こりやすくなります
代表的なものが、大脳の細胞が変性することで生ずる「アルツハイマー病」と、脳の小さな血管が詰まったり破れたりして生ずる「脳血管性認知症」。最近のことが思い出せない、服を着ることができないなどの症状が出ます。
混濁した意識に、幻覚、錯覚、興奮などが加わった状態です。高齢では認知症の人や大きな手術のあとに現れることが多く、意味不明のことをいって興奮したり、理解できない行動をしたりしますが、通常は数日で改善します。
意識がはっきりした状態で、実際にないことをあると確信しており、周囲が何度訂正しても、訂正が不能です。統合失調症・脳腫瘍・認知症・アルコール依存症などの人に出現することがあります。
自分が何かの悪い病気だと思いこんで、心配でたまらなくなったりします。病院で検査をして異常がなくても納得できません。何ヵ所もの病院を転々とする人もいます。
こんな初期サインを
見逃がさないで!

微笑まない(ほほえまない)、泣かない、怒らない。そんなときは、うつ病や軽い意識障害が疑われます。

体に問題がなければ、うつ病で意欲が低下していることが考えられます。

誰かに向かって会話しているようなら、認知症などで幻聴が聞こえている可能性があります。

着替えや化粧の意欲がないときはうつ病が、仕方がわからないようなら認知症が疑われます。
心の老化による、高齢期の
「うつ病」に注意を!