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お口周り

歯周病

サラリーマン世代も
他人事ではない!
静かなる病気......歯周病

日本人が歯を失うのは、歯周病と虫歯が二大原因と言われています。働き盛りのサラリーマン世代である40代後半からは虫歯より歯周病の割合が高くなってきます。

歯周病の初期である軽度の歯肉炎は10代後半から増えはじめ、30代、40代で悪化が加速し、歯周炎が増加。重度の歯周炎は50~70代が多くなります。

歯周病は痛みがほとんどない慢性炎症なので、気づかないうちにじわじわと進行していきます。それで、サイレントディジーズ(Silent Disease:静かなる病気)とも言われています。

そのまま放置しておくとその歯の寿命が短くなるばかりか、健康な歯にも悪影響が! そして、歯周病は自然治癒することがありません。ひどくなると大事な歯が抜け落ちてしまいます。全身疾患との関係も明らかになってきており、まさに「歯周病は万病のもと」なのです。

歯周病を引きおこすプラーク

むし歯の原因菌は口のなかに残った糖分などをエサに、一方、歯周病菌はタンパク質やアミノ酸をエサにして、歯の周囲にプラーク(歯垢)と呼ばれる、白くてネバネバした物質をつくり出します。

歯の表面を爪でなぞってみると、爪につく白いものがプラークです。プラーク1mgのなかには10億個の細菌が住み着いていると言われ、むし歯や歯周病をひき起こします。

歯周病初期の歯肉炎の段階では、歯に付着したプラークを歯ブラシなどで取り除けば治ります。これをプラークコントロールといいます。しかし、プラークが固まって歯石になると、歯ブラシでは取れません。歯科医院での除去が必要になります。

歯が抜け落ちる!
歯周病の進行とは

歯周病は、その進行段階によって大きく二つに分けられます。炎症が歯肉だけにある状態を「歯肉炎」といい、炎症が歯肉から歯槽骨や歯根膜にまで広がった状態を「歯周炎」といいます。

「歯周炎」は進行状態により軽度、中度、重度に分類されます。軽度は、歯肉がむずがゆく感じ、触るとぷよぷよします。この段階ではあまり異変には気づきません。

中度になると、歯肉の色はピンク、赤、紫が混在した状態に。歯肉は本来歯を覆っていた位置から下がり、歯の根元付近が徐々に露出してきます。

重度に進行すると、歯と歯のすき間も目立つようになります。歯肉からは膿や血が出て口臭はいっそう強くなり、骨が溶けて、抜け落ちてきます。ここまで来ると歯を抜くことになり、入れ歯やインプラント治療が加わることも少なくありません。

口のなかだけでない!
全身疾患に及ぶ可能性も

歯周病で怖いのは、歯が抜け落ちるだけではなく、全身に影響が及ぶ可能性があること。炎症が続いていると、歯周病菌や菌の出す毒素が血流に乗って心臓に運ばれたり、肺に入ったりして、全身疾患を引き起こすおそれがあると言われています。

初期のうちは痛みなどの自覚症状が出ないため気付きにくい病気ですが、常に歯と歯ぐきの状態に着目し、赤くなっている、歯を磨くと出血するなどのサインを見逃さないようにし、できるだけ軽いうちに治すことが大切です。

歯周病の治療では、歯石除去などの病院で行なうプロフェッショナルケアと家で行なうブラッシングなどのセルフケアの両方が大切になります。自宅では歯周病の原因であるプラークをためない、増やさないことが基本です。また歯周病を再発させず、健康な状態を維持していくための定期的な治療も大切。治療が終了した後は、3~6ヵ月ごとの定期検診の受診をおすすめします。

働き世代注目!
タバコとお酒と歯周病

サラリーマン世代が歯周病対策で気を付けなければいけないのは、喫煙と飲酒。喫煙は歯周病を悪化させる一因とされています。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させて歯肉の血行不良を引き起こします。さらに含まれている一酸化炭素により歯周組織が酸素欠乏となり、栄養が行き届かず、歯周病細菌に対する抵抗力が低下。歯周病を重症化させていくと言われています。

飲酒についても、お酒を飲んだ後は歯を磨かずに寝てしまう、または歯磨きを疎かにしてしまう傾向にあります。これが歯周病を進行させる原因の一つとされています。タバコと飲酒は歯周病を意識して嗜みましょう。

知っておきたい
「8020運動」

平成元年に厚生省(現厚生労働省)と日本歯科医師会により提唱された「8020運動」はご存じでしょうか。80歳まで20本以上自分の歯を残そうという運動です。20本残っていれば、ほとんどの食べ物をかみ砕くことができ、健全な食生活をおくることができると言われています。80歳になっても自分の歯で豊かな食生活を楽しむためにも早いうちからの歯周病ケアを心がけましょう。

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