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今回の改正の主要なポイントは何か?

一般公開日:2018.04.22

 では、来るべき2025年に向けて介護保険制度にはどんな備えが必要となるのでしょうか。国が示しているポイントは2つあります。1つは、介護サービス全体に「より重い状態の人にも対応できる」という仕組みを作ること。しかし、介護サービスを担う支え手も不足するなかで、この仕組みを際限なく広げることは困難です。そこでもう1つのポイントとして、「重い状態の人を生み出さないケア」の仕組みを整えることが打ち出されました。国はこれを自立支援・重度化防止とうたっています。

 例えば、前者であれば、介護と医療が密に連携しながら「家での看取り」までも対応できるサービスに力を入れることがあげられます。後者であれば、高齢者の筋力や運動機能、栄養状態等が悪化しないようなサポートに重点をおくという具合です。この重点化したポイント以外では、できるだけサービスをスリム化して効率化を図ることになります。

 一方、支え手が不足するというなかでも2つのポイントがあげられます。1つは「お金」の話です。具体的には、収入の多い人には、サービス利用時の料金や保険料をもう少し負担してもらおうという仕組みです。もう1つは、地域の人々を「支える側・支えられる側」で分けてしまうのではなく、たとえ高齢者同士であっても「できる範囲」で支え合う仕組みを作ることです。もちろん、専門的なサポートが必要になれば、先の「重点化」したサービス等につなぐわけですが、地域の人々にその「つなぎ役」も期待することになります。

 今回は、あくまで大きな括りでポイントをあげてみました。では、2018年の改正で具体的にどのような仕組みとなったのでしょうか。まずは、介護サービスを利用する側として気になる「お金」の話から入っていきましょう。

2018年介護保険制度の改正について
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【執筆者プロフィール】

田中 元/たなか はじめ

介護福祉ジャーナリスト。立教大学法学部卒業後、出版社勤務。雑誌・書籍の編集業務を経てフリーに。

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