公的介護保険外サービス
公的介護保険制度で提供できるサービスは範囲が限られます。制度の枠にとらわれない高齢者向けのサービスも活用することで、より豊かな生活を送ることができます。
サービスは大きく分けて、ボランティア等の協力で「市区町村が独自で実施するサービス」と、個性の強い「民間企業が提供するサービス」があり、種類や費用はさまざまです。
市区町村が独自で実施するサービス
自治体によって種類や利用条件、料金等が違いますので、詳細は市区町村に直接聞くか地域包括支援センターに相談しましょう。ここでは、参考例を取り上げました。
配食サービス
昼食や夕食を定期的に自宅に届けるサービスです。日々の安否確認にもなるので安心です。
家事援助
食事、洗濯、掃除、買い物、外出の介助、留守番、話し相手などの日常的な家事援助のサービスを提供します。
送迎・移送サービス
公共交通機関の利用が困難な方にボランティアが外出のお手伝いをしたり、寝たきりの方の入院や退院時の寝台自動車の助成金支給などがあります。
寝具の丸洗い・乾燥
寝たきりで、家族の支援が得られない方等を対象に、布団や毛布の丸洗いや乾燥消毒を行ないます。
火災安全システム
火災による緊急事態に備えて、火災報知器、消火装置、電磁調理器等を設置します。
緊急通報システム
慢性疾患等で常時注意が必要な方の緊急事態に、警備会社等に自動通報されるシステムの貸与です。
認知症高齢者見守りネットワーク
独り歩きで道に迷った認知症高齢者の早期発見と事故防止のため、事前登録しておくと、いざというときに警察や消防、協力団体、住民等が可能な範囲で捜索に協力します。
紙おむつ給付または購入費助成
日常生活あるいは寝たきりでおむつを必要とする高齢者に、紙おむつ等を現物支給したり購入費の助成を行ないます。
訪問理美容
外出困難な高齢者宅を地元の美容室や理髪店が訪問し、髪のカットなど理美容のサービスを提供します。
福祉電話
一人暮らしや見守りが必要な方に定期的に電話して、安否確認や相談を行ないます。電話機のない方への貸し出しもします。
住宅改修支援
バリアフリー工事等で公的介護保険給付の対象外となる部分について、工事費の一部を助成します。
民間企業が提供するサービス
配食サービス
コンビニチェーン、生協、弁当チェーン等で行なっています。普通食だけでなく、糖尿病などの治療食、減塩や低たんぱく食、介護食など体調にあわせたメニューを用意しているところもあります。
手渡しを原則としている事業者であれば安否確認にもなります。
家事代行・家政婦
家事援助の会社以外にもいろいろな分野の企業が参入しています。ペットの世話や草むしり、外出の付き添い、24時間対応など公的介護保険では対応できない部分も幅広く支援します。
家事とケアを合わせた、シニア向けサポートを提供する事業者もあります。
見守りサービス
体調不良や緊急時の駆け付けや、取り付けたセンサーが日常動作の異常を感じると家族に知らせてくれるなど、安否確認や見守りに役立つシニア向けのサービスが増えています。
また、排泄のタイミングを知らせてくれるセンサー等は日々の介護負担を減らしてくれます。
セキュリティ会社や家電メーカー、郵便局、電力会社、ベンチャー企業等、さまざまな分野の事業者がサービスを提供しています。料金は事業者やコースによって違います。
移送サービス
民間救急サービス事業者や福祉タクシー事業者などが行なう、救急搬送や外出移送サービスです。
福祉（介護）タクシーは通院に限らず、買い物や催事などにも利用できます。寝台車両、看護師やヘルパーの同乗、緊急時の対応が可能なところもあります。
料金は運賃と介助料、その他に予約料や特殊介助（人工呼吸器等）、ストレッチャー使用等のオプションがかかります。
旅行の付き添い
車いすを利用していたり体調に不安がある人でも「看護師」や「ヘルパー」の付き添いで旅行を楽しむことができます。
身体の状態に合った旅行計画、手配、そして当日の介助まできめ細やかな支援をしてくれます。
訪問マッサージ・美容
訪問マッサージは歩行が難しく通院できないなどの場合に、医師の指示のもと国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」が訪問し、動作の機能を回復します。医療保険が適用になります。
整体、足裏マッサージ、アロママッサージ、ネイルエステなど出張型の美容サロンもあり、コミュニケーションや触れることによる心のケア、整容などの生活の質の向上が期待できます。
買い物サービス
最近は、インターネットを利用した買い物ができるデパートやスーパー、小売店が増えています。
店舗で購入した食品や日用品を、その日のうちに自宅に届けてくれるスーパーマーケットもあります。
介護に関する制度・サービス
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