「老後難民」にならないために(1/4)
前回の「老後のお金なんとかなる?」は、老後は想像以上に長いというお話でした。今回はその長い老後に、お金のことで困らないようにしましょうというお話です。今話題になっている、老後難民にならないためには「老後にはお金がかかる」ことを理解し準備しておくことが大切です。
3世帯に1世帯は老後難民予備軍!
老後が不安という人は8割います。にもかかわらず、貯金ゼロという世帯は20代から60代まで、全ての年代でおよそ3割です。
日本人は貯金好きだと言われていますが、収入減や物価上昇でお金を貯められない世帯も増えているのです。
収入が高ければ貯められるかというと、そうとも言えません。世帯年収が1200万円あるご家庭でも1割は貯金ゼロです。現役世代は、貯金ゼロでも元気に働きお給料が入ってくれば、なんとか生活は回せます。ところが、退職世代は入ってくるお金に限りがあります。現役世代は、退職までに年金の不足分を何かで用意しておく必要があるのです。
老後に必要なお金
では、老後にどれくらいお金が必要でしょうか?
老後の生活費を支える公的年金などの収入から社会保険料を払うと、手元に残るのは18万円ほどです。
高齢者2人世帯の生活費の平均は24万円ですから、およそ6万円が毎月不足していることになります。
「住宅ローンも完済しているし、24万円もお金が必要?」「洋服を毎月買うわけじゃないし」とよく聞かれます。高齢者世帯の支出の中身を見てみると、健康とガーデニングやパック旅行など趣味にかけるお金が現役世代より高くなっています。医療費も増えますし、孫にお祝いやお年玉をあげることもあるでしょう。やはり、普通に暮らしたとしても24万円くらいは必要になるということです。
不足分6万円を働いているうちに貯めておけると安心です。65歳まで働いたとして、その後20年間夫婦で暮らすなら
6万円×12ヶ月×20年=1440万円
老後に必要なお金の目安は1440万円になります。