ご利用者の夢を叶える「できない理由をぶっ壊す!そして、できる理由を構築する!」
前回のコラムでは「宝地図」の作り方と使い方について書きました。宝地図は学生、社会人、高齢者、介護が必要な方など、どの方にも使えるツールです。しかし、どのカテゴリーの方にも結果に個人差が出ます。宝地図に掲げたやりたいことや夢の全部、もしくはほとんどを叶えてしまう方がいる一方、その逆で全部、もしくはほとんどを叶えられない方もいます。この差はなぜ生まれるのでしょうか。
それは「〇〇のせい」にする人と、そうでない人の差です。人は、自分を守り、傷つかないために、できない理由・やれない理由を、やる前から並べてしまいがちです。これをリミッティングビリーフ(制限を作り出す思い込み)とも言います。
それでは、やりたいことや夢を叶えるためにはどういう思考をしたらいいのでしょうか。
たくさんのできない理由を並べあげてもキリがないですし、何も前に進めません。ここで邪魔をしているものは何でしょうか。リミッティングビリーフです。ではこれを「ぶっ壊す」ことをしましょう。エンパワリングビリーフ(勇気づけてくれる思い込み)を構築すればリミッティングビリーフを「ぶっ壊す」ことができます。
例えば、バンジージャンプをなかなか飛べない人がいたとします。飛べない理由として「高いところが苦手」「単純に危ない」など多くのことが挙がりそうです。この飛べない理由がリミッティングビリーフです。
これをエンパワリングビリーフに変えるには「このジャンプを飛べれば、最近上手くいっていなかった仕事も、彼女とのこともすべてが上手くいく!僕だったら絶対飛べる!」と考えます。もっと簡単に、「高いと思っているのは気のせいで、実はたいした高さじゃないから飛ぶのも簡単だし、危なくもない。」と考えてもいいかもしれません。
介護でも同じです。寝たきりだから、片麻痺だから、施設入居だから、認知症だから...たくさんのできない理由を並べあげるのは止めましょう。介護職がご利用者、ご家族といっしょになって「夢を叶える」ためにできる理由を探すのです。そうすれば、エンパワリングビリーフに変換ができます。介護職はその人の目的を達成するパートナーなのですから。
【執筆者プロフィール】
杉本 浩司/すぎもと こうじ
メディカル・ケア・サービス株式会社。
元モデルで「かっこいい介護士」として注目され、各種メディアで話題の介護福祉士。