ご利用者の夢を叶える「介護を憧れの職業にするポイントはご利用者の外出だ!」
私が以前出演したテレビ番組でこう質問されました。「どうしたら介護の仕事のimageが良くなると思いますか?」
私はこう答えました。「ここに出させてもらっている人たちが憧れの存在になること。まずはそこからです」(私を含め介護福祉士が5名出演)。
では、憧れの職業とはどんな職業でしょうか。二つの条件があります。
憧れの職業になる一つ目の条件は、今までの生活で見たり触れたりしてきた職業です。見たり、触れたことがある職業なのでどんな職業か想像ができるからです。看護師や教師、保育士、美容師、警察官、消防士など、生まれてから大人になるまでの間に自分の生活のなかで見たり触れたことがある職業がこの条件に当てはまります。
もう一つの条件は今までの生活で触れたことはないけど、華やかに見える職業です。これは芸能やプロスポーツ選手などが当てはまります。
そして、介護の仕事は特に一つ目の条件に当てはまらないので憧れの職業として選ばれません。それはなぜでしょうか。
介護は施設か自宅で行なわれていて、介護が必要な方を外で見る機会は少ないので、その方を介護している介護職の姿を見ることも少なくなります。身内に介護を必要としている方がいれば、介護の仕事に触れることはできますから憧れになる場合もあるでしょう。しかし、ほとんどの方は身内に介護が必要な方はいません。
それでは介護は憧れの職業になることはないのでしょうか。
私がテレビ番組で発言したことは不可能なことなのでしょうか。
そんなことはないです。前々回のコラムに書いた「宝地図」を使った夢の達成をしていけば、介護も憧れの職業になることができるのです。私は、これまで多くの方の宝地図を作成し、そこに書いてあるやりたいことや夢を叶えてきました。多かったものは「一泊温泉旅行」「お墓参り」「美味しいものを食べに行く」「趣味の展示物を観に行く」「観光地に行く」でした。
これらに共通していることがあります。それは「外出」です。ご利用者の外出を増やせば、介護職も見たり、触れられるようになるので、憧れの職業の条件を満たすようになるのです。宝地図を作成し、それを達成することで介護は憧れの職業になるのです。
これまでのコラムを読んで、どう感じましたか?「介護のimage」が大分変わったのではないでしょうか。「OPEN KAIGO」。介護の未来は明るいことが存分に伝わったと思います。全9回のコラムをお読みいただきありがとうございました。
【執筆者プロフィール】
杉本 浩司/すぎもと こうじ
メディカル・ケア・サービス株式会社。
元モデルで「かっこいい介護士」として注目され、各種メディアで話題の介護福祉士。