MY介護の広場トップ >  一般のみなさま >  実践したいケア >  介護Q&A(よくわかる介護質問箱) >  【認知症のお年寄りの介護】トイレ・入浴編

トイレ・入浴編

Q36
トイレの場所が分からず、どこでも排せつしてしまう場合は?

 位置や方向の感覚が失われ、トイレの場所が分からなくなっている場合は、絵やマークなどお年寄りがわかる目印を貼る方法があります。
 お年寄りがトイレに行きたいそぶりを見せたら、声かけをしてトイレまで誘導する方法もあります。また、朝起きた時、食事の前、寝る前などのタイミングでトイレを促してあげるとよいでしょう。
 トイレに誘導した際は、「ここがトイレのようね」と声を出して確認します。お年寄りのプライドを傷つけないように、注意や指摘をしないようにします。時には、トイレの場所は自分も初めて知ったというような演技も必要です。

Q37
トイレで座り方や衣服の下ろし方が分からなくなった場合は?

 便座にどうやって座っていいか分からなくなったというお年寄りには、具体的な言葉をかけて誘導します。
 座り方を忘れている場合は、「座って」というよりも、片手で背中を支えながら、もう一方の手をひざの裏に添えて「ひざを曲げて」と声を掛けるほうが、安心して便座に座ることができるようです。
 ズボンや下着の下げ方を忘れている場合は、動作(ジェスチャー)を示しながら説明してみましょう。それでも難しい場合は、「お手伝いしてもいいですか」などと声をかけて、本人の了承をえるようにしましょう。

 ズボンを下ろす時は、「下ろしますよ」と声を掛けてから、できるだけ後ろから下ろします。正面から下げると、プライドが傷つき怒り出す人もいますので注意しましょう。

Q38
失禁した場合の対処法は?

 絶対にしからないことが大切です。一度しかると、しかられるのを恐れるあまり、失禁して汚れた下着を隠したりする場合もあります。

 「汚れているでしょう」などお年寄りのプライドが傷つくような言葉は禁句です。「汗をかいたから着替えましょう」「水をこぼして服が濡れていますよ」などの声掛けをして、さりげなく着替えさせましょう。失禁が頻繁になるようでしたらおむつの使用も考えられますが、パンツタイプのおむつや"尿取りパッド"もあります。それらを利用して、できる限りトイレに誘導し、自分でさせてあげたいものです。

Q39
認知症のお年寄りの歯磨き、洗顔の介助法は?

 介護する側が気をつけて、お年寄りがいつも清潔で気持ちよくいられるように心がけたいものです。そこで、食事やおやつの前やトイレの後、外出後は手を洗うように促します。

 手の洗い方を忘れている場合には、介護する人が手を添えて一緒に洗います。洗顔の仕方を忘れている場合は、温かいおしぼりを渡して自分で拭いてもらうか、介護する人が拭いてあげます。

 歯磨きは、少量の歯磨き粉を付けた歯ブラシをお年寄りに持たせ、手を添えて一緒に磨きます。

 うがいができない人には、スポンジブラシや口腔ケア用ウェットティッシュを用いて、口の中の汚れを拭き取るようにします。

 口腔内が乾燥しないように、口腔ケア専用の保湿剤などを利用して雑菌の繁殖を防ぐことも大切です。
 入れ歯は破損させないようにして流水で洗い、夜は水を入れた蓋付の容器に入れておきます。歯がない人には、食後にお茶を飲ませると口の中がさっぱりします。

Q40
着替えの介助方法は?

 着替えがおっくうになったり、嫌がる場合は、入浴のときに着替えるようにします。
 脱衣所に着替えを着る順番に重ねて置いておくと、自分で着られる人もいます。
 着方を忘れている人には、動作(ジェスチャー)を示しながら説明してみましょう。それでも難しい場合は、本人のできる動作をうながしながら着替えの介助をします。
 脱いだ服をそのまま置いておくと、そちらを着てしまうこともあるので、洗濯機やランドリーボックスに片付け、目に触れないようにします。

 また、認知症のお年寄りの中には季節感を失い、夏でも真冬の服装をしたり、真冬に夏物の薄着でいる人もいます。介護する人がたんすを整理しておき、季節に合った服を着られるようにしましょう。

Q41
認知症の人の入浴の介助法は?

 体に障害がなければ、ひとりでも入浴できますが、事故を避けるためにも、介助者がいたほうが安心です。冬は前もって浴室や脱衣所を暖め、急激に温度が変わらないように注意します。入浴時間は体を洗う時間も含めて、心臓に負担をかけないよう30分以内にして、入浴後は必ず水分を補給しましょう。

 入浴を嫌がる場合は、その人なりの理由があります。無理強いするのではなく、本人が納得するような声かけや環境づくりを工夫してみましょう。

  • 入浴する時間帯を変えてみる
  • 入浴剤などお風呂の雰囲気を変えてみる
  • 家族が一緒に入る
  • 「温泉に行こう」などといって、デイサービスの入浴を利用する
  • 洗面器、固形せっけん、手ぬぐいのセットを渡す(昔の銭湯での入浴のイメージ)
  • 「背中に湿布を張りたい」など、着替えをうながしながらお風呂に誘導する
  • 「人が訪ねてくる」「出かける用事がある」ので入浴して、きれいな服を着ることをすすめる

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