1.ボタンやファスナーをひと工夫
身体の不自由なお年寄りにとっては、健常者にはなんでもない事でも日常生活の負担となる事がたくさんあります。例えば、既製服のボタンやスナップも、自分ひとりでは脱着に時間がかかることで、自信をなくしたり、ストレスの元になったりしがちです。
しかし、周囲の人がほんの少し手を加える事で、不自由さを補い得るだけではなく、指先のリハビリや自立の助けにもなります。
ひと工夫できるポイントをまとめてみました。お役立てください。
大きなボタンに付け替える
コートに付けるような大きなボタンは、薄い布には不向きなため、ボタンとボタンホールを単に大きくするだけでは、穴が崩れやすくなります。手芸店で売っている布テープやほかの布で今までのボタンホールをカバーして布地を補強してから、大きな穴をあけるとしっかりします。
表に補強布が見えないほうがいい場合は、裏打ちでもかまいません。

ワンポイント・アドバイス
補強布やボタンの色が服の色と違っても、服のアクセントとしても効果的。今までの服がよみがえりますよ。

マジックテープでもっと便利に
大きなボタンよりもさらに簡単に脱ぎ着ができるのがマジックテープです。マジックテープは、ボタンと同じように間隔をあけて付けたほうが楽に留めることができます。今までのボタンを取って、同じ位置にマジックテープをミシンで縫い付けます。
マジックテープは最近の若者の衣類にも、ボタンに代わるおしゃれなアイテムとして使われるようになりました。ただし、乾燥機やアイロンの熱で変形しやすいので取り扱いには注意してください。

ワンポイント・アドバイス
マジックテープを色違いにすると掛け間違いをふせげます。もっと脱ぎ着を楽にするには、取っ手のようにリボンを付けておくとよいでしょう。
ファスナーにもひと工夫
つまみにくそうなファスナーには、飾りを兼ねた持ち手を付けましょう。大きなカラークリップや、携帯電話のストラップ、リボンなどを付けるだけでもいいので簡単です。
その他、フリーサイズの指輪やプラスチックリングなど、いろいろ工夫してください。

ワンポイント・アドバイス
服だけではなく、手提げカバンやおサイフなど、いろいろなファスナーに付けてみては。
もっと楽な服が必要な方には
紐で取っ手を
さらに簡単に脱ぎ着できる服にリフォームするには、ズボンのボタンをマジックテープに付け替えるだけではなく、左右に紐の取っ手を付けましょう。
また、布地を買ってきて後ろ重ねの巻きスカートを作ると、トイレの際にたいへん楽です。そこにも左右に紐の取っ手を付ければ、持ち上げるのが楽になります。
