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3.補聴器購入の流れ

①聞こえで困っている場面の
優先順位を付ける

 まずは、ご自身の生活のなかで聞こえで困っている、もしくは、聞こえないせいでストレスに感じている場面に優先順位をつけてください。
 例えば、仕事でのお客さんとの会話が聞こえないのが最もストレスなのであれば、それを優先順位の1番目に挙げておくといった「頭の整理」をしておいてください。

②補聴器に詳しいドクターに
相談する

 いきなり補聴器屋さんへ行くのではなく、「お医者さん(ドクター)に相談しよう」という方が多いでしょう。それが間違いだとは言いませんが、ドクターにも得手、不得手があることを知っておいてください。
 例えば、耳鼻咽喉科のドクターであっても、花粉症は得意だけれど、難聴や補聴器は不得手だというドクターもたくさんいます。

 補聴器の購入を考えているのであれば、

  • ドクターが補聴器に詳しい
  • 良心的な補聴器屋さんと連携している

この2点を満たしている耳鼻咽喉科医院で相談することを考えましょう。

 具体的には、近隣の耳鼻咽喉科医院に電話等で、

  • 補聴器適合判定医(※1)、補聴器相談医(※2)はいるか?
  • 補聴器適合検査施設(※3)の認定を受けているか?

を尋ねてみて、これらを全て満たしている医院へ行かれるのが良いでしょう。

③補聴器適合検査を受ける

 補聴器適合検査施設へ行ったら、事前に整理しておいた、聞こえで困っている、もしくは、聞こえないせいでストレスを感じている場面の優先順位を伝え、医師の指示に従って適切な補聴器適合検査を受けてください。

④補聴器を購入する

 耳鼻咽喉科医院では「補聴器相談日」を設けている場合が多くあります。この日には、補聴器屋さんの調整技師の方が医院まで来てくれます。

 この日に来てくれるのが良心的な補聴器屋さんで、医師とも良い連携が取れていれば、とても便利で、良い話なのですが...残念ながら、ごく稀に、そうでない場合もあります。
 医師は補聴器屋さんに丸投げで、補聴器屋さんは高価な機種を売ることばかりに躍起になっている。そんな悪質なケースが、無いわけでもありません。

 これを見分けるためには、

  • ドクターがちゃんと、その患者さんの補聴器適合検査を実施し、その結果を補聴器屋さんに伝えているか?
  • 補聴器屋さんは、その診断結果を尊重して、その患者さんにあった補聴器を紹介し、キチンと調整しているか?

を見極めてください。

  • 検査らしい検査をしていないのに、いきなり補聴器屋さんが出てきた
  • 補聴器適合検査用機器がホコリをかぶっていて全く使われていない

などという場合は要注意です。

補聴器販売店へ直接行って
相談・購入する際のポイント

  • できるだけ耳鼻科医からの紹介状を持っていきましょう
  • 事前に整理しておいた、聞こえで困っている、もしくは、聞こえないせいでストレスを感じている場面の優先順位を伝えましょう
  • 補聴器をどのように使用したいか「目的」を伝えましょう
  • 家族などと一緒に行きましょう
  • 予算・価格等の相談もしましょう
  • トラブルになった場合など、最寄りの消費生活センターへ相談しましょう

※1補聴器適合判定医
厚生労働省が実施する補聴器適合のための特別な講習を受講して、試験に合格した医師のことです。
補聴器適合についてさらに詳しく学んでいる補聴器適合判定医がいる医院で相談することをおすすめします。

※2補聴器相談医
補聴器活用に関する専門的な助言・指導ができるよう、一定の研修を修了した会員に日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が補聴器相談医を委嘱しています。
全国約5,000名(2022年11月現在)。各県でサイト等で名簿が公開されています。

※3補聴器適合検査施設
常勤の補聴器適合判定医がいて、補聴器適合検査を実施するための検査機器が揃っていると認定された医院です。
ここで、補聴器適合検査とは、

  • 補聴器をした状態としていない状態の聴力の違い
  • 補聴器をした状態としていない状態の言葉の聞き取り能力の違い
  • 使っている(使う予定の)補聴器の特性の測定

といった項目がある検査です。
要するに、補聴器をしたときの、コミュニケーション能力の改善度合いを測ってくれる検査です。
補聴器を使っている人、もしくは、これから補聴器の使用を考えている人に、ぜひ検査することをおすすめします。健康保険も使えます。
実際には、補聴器適合検査を実施できる医院は、あまり多くはないのですが(耳鼻咽喉科以外の診療科では、ほぼ皆無です)、この検査ができる医院を探し、少し遠くても、そこで相談することをおすすめします。

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