腰掛便座
1.腰掛便座とは
公的介護保険による購入の対象となる腰掛便座は、大きくつぎの4つのタイプがあります。
和式便器の上に置いて腰掛式に変換するもの。洋式便器の上に置いて高さを補うもの。電動式またはスプリング式で便座から立ち上がる際に補助できる機能を有しているもの。便座、バケツ等からなり、移動可能である便器の4つです。



ポータブルトイレ
便座、バケツ、フレームからなり、移動可能で居室でも使用できる便器です。
プラスチック製のスツール型、プラスチック製の肘掛け付き、金属パイプ製、家具調など形状も素材も多種多彩です。
高さ調整機能、シャワー機能、暖房機能、洗浄機能、消臭機能の付いたものもあります。
一般的には、便座の下にあるバケツに排泄物を受け、トイレが済んだ後、バケツを取り外して、トイレに流します。最近は水洗式、ラップ式(排泄物をラップで密封)のポータブルトイレも販売されています。
座ったときの脚の置き場、立ち上がりやすさ、掃除のしやすさにも考慮し、選択しましょう。
据置式便座
和式便器の上に乗せて腰掛式便器として使えるようにする便座です。腰掛式にすることで立ち座りの動作を楽にすることができます。段差のある和式便器に対応するものと段差のない床式和式便器に対応するものがあります。
おおむねほとんどの和式便器に対応できますが、配管の都合等により適合しないケースもあるので注意が必要です。
また、腰掛式への変更により、立ち上がるとき頭などがドアや壁にぶつからないよう注意が必要です。
補高便座
洋式便器の上に取り付けることにより便器の座面を高くし、立ち上がりの動作を楽にし、膝等への負担を軽減するものです。プラスチック製のものが多く、固定型と取り外し型があります。
導入にあたっては、利用者の膝下の長さにあわせることが重要です。また、便器とあうかどうかの確認も必要となります。温水洗浄機能付きの便座などに取り付けた場合、機能が使用できなくなるケースが多いので考慮が必要です。
立ち上がり補助便座
便座が電動またはスプリング等により昇降し、立ち座りの動作を補助する機能をもつ便座です。垂直昇降タイプと傾斜昇降タイプがあります。車いすからの移乗がしやすいようにアームサポートが取り外せるようになっているものもあります。
傾斜昇降タイプは上昇時に前に滑りやすいので注意が必要となります。前に押し出す形になるので、モーターや昇降機の足の部分用のスペース以外に前方部にもスペースが必要です。
2.腰掛便座の導入における注意点
既存の便器や便座に対応できるか確認が必要です。
また、腰掛式への変更により、立ち上がるとき頭などがドアや壁にぶつからないか、確認が必要です。
温水洗浄機能付きの便座などに取り付けた場合、機種によっては機能が使用できなくなるケースがあるので考慮が必要です。
3.公的介護保険・購入費支給の対象となるもの
介護保険法では下記のように定められています。
腰掛便座
次のいずれかに該当するものに限る。
- 和式便器の上に置いて腰掛式に変換するもの
- 洋式便器の上に置いて高さを補うもの
- 電動式、またはスプリング式で便座から立ち上がる際に補助できる機能を有しているもの
- 便座、バケツ等からなり、移動可能である便器(居室において利用可能であるものに限る)