2.口からの食事摂取で気を付けること
口から食べる時は、大きく分けて二つの動作が必要です。
食べ物を口の中で小さくかみ砕き、すり潰しながら唾液と混ぜ込み塊にして(食塊)飲み込みやすい形状に変える。
食塊を咽頭に送り、食道さらに胃へと
送る。
誤嚥 とは
「誤嚥」とは、食べ物や飲み物が食道に入らずに、誤って気管に入ってしまう状態です。また、自分の唾液や痰、逆流してきた胃液などが気管に入ってしまうこともあります。
正常な状態では、飲み込む時に反射的に気管の入り口が閉じられますが、高齢者は筋力の低下や知覚機能などの理由で、反射機能が低下し、気管に入りやすくなってしまいます。
誤嚥するとむせる力や咳が弱い高齢者は誤嚥したものを出すことができず、誤嚥性肺炎や窒息を起こす危険性があります。

食べ物を咀嚼して飲み込む仕組み
摂食嚥下は先行期、口腔準備期(咀嚼期)、口腔期、咽頭期、食道期の5つのステージに分かれています。

先行期
見る、臭いを嗅ぐなどで食べ物を認識する。熱さ、食べ方などを判断したりする。
口腔準備期(咀嚼期)
食べ物を口に入れる。食べ物を咀嚼し、唾液と混ぜ合わせて食塊を作り、飲み込みやすい形状にする。
口腔期
食塊を舌の運動で、咽頭へ送り込む。
咽頭期
食塊がくると、「ゴックン」と飲み込む嚥下反射が起こり、食道へ送り込まれる。
食道期
食塊がくると、ぜん動運動によって胃へ送られる。