4.誤嚥を防ぐ食べやすい姿勢
姿勢が崩れると誤嚥をおこしやすくなるので、安全な姿勢を意識しましょう。
食事の姿勢は主に座った姿勢と、ベッドの上の姿勢に分けられます。
イスでの姿勢は90度ルール

「90度ルール」というのは、多くの人にとって最も食べやすいとされている姿勢です。
椅子に座った状態で、腰、膝、足首の3箇所が90度にまがった姿勢で、身体が起きている形となります。
イスとの接触面は多い方が安定する
高齢者のなかには、まっすぐに座ってもすぐに疲れてしまう、体幹で体を支えられず椅子に座れないといった場合もあります。そのときはクッションやタオルなどを有効に使うとよいでしょう。
また、腕は意外と重いものです。膝の上に大きめのクッションを置いて抱えるようにして座ると、腕の重さが分散されて90度ルールの姿勢を取りやすくなります。
お尻が前にずれて
イスとの接触面が少ないと座りにくい

背中やお尻とイスの間に
クッションなどを入れて接触面を多くする

ベッドでの食べやすい姿勢は
大きなイスに座ったような姿勢
椅子に座って食べられる人は、原則、食卓で食べるようにしましょう。
座ることや体を起こすことが難しくベッドで食事をとる場合には、ベッド上になります。高齢者の身体に合ったベッドのサイズを選びましょう。
ベッドで食事をとる場合はベッドのリクライニング機能を使いますが、身体を安定させるためのクッションやタオルなどを利用して、なるべく身体と安定した面が接触する部分を多くします。

- 頭の後ろに大きめのクッションをいれることで頭が安定し、顎をひく姿勢になり、誤嚥しにくくなります
- 背中とベッドの間には隙間が出来ないようにタオルなどを入れると、身体が安定します
- 両肘下にクッションをおくと上肢が安定します
- 身体がずれないように足下にクッションを置きます。足下のクッションは硬めの方が安定します
自分で食事をする場合は、ベッドの背上げ角度は60度が基本になります。しっかりと上肢を起こして、食事が見える位置に整えてあげます。
介助が必要な場合は、背上げ角度は30度が基本になります。相手のペースに合わせて無理のないように食事介助することで、誤嚥のリスクを減らすことができます。
介護用ベッドの機能を活用した
食事介助の方法について
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