1.歩行介助の方法と留意点
1.見守り歩行介助
介助の内容
少し不安定だが自力歩行している方(つえを使用する場合も含む)に対して、バランスを崩しそうになった時にすぐに手で支えられる位置で見守ります。
要介護者の状態
- 筋力低下のため、
- 歩幅が小さい
- つま先があがっていない
- やや前傾姿勢
- 小さく左右に揺れる
- つまずきやすい
- などの様子が見られます。
具体的な介助方法
①要介護者の斜め後方に立ちます。
つえを使用している場合:
つえを持たない側(患側)に立ちます。
つえを使用していない場合:
転倒の可能性が高い側(筋力の低下や痛みがあるなど)に立ちます。
要介護者と同じペースで歩行し、ふらつきやバランスを崩しそうになった時に、すぐに手で支えられる位置で見守ります。
②転びそうになった時は、後方から体を寄せて、
腰や体幹をしっかり支えましょう。
高齢者の手や肩だけをつかんで支えようとすると、一緒に倒れこんでしまう可能性があるため注意が必要です。
見守り歩行介助の留意点
日によって、1日の時間帯によって、歩き方や歩くペースが異なることがあります。
前後や左右にふらつきやすい人は、重心が安定しにくく、わずかな段差や方向転換をきっかけにバランスを崩して転倒につながります。
膝折れ(脚に急に力が入らなくなって突然沈みこむように倒れる)は予測しづらいため特に注意が必要です。
要介護者の歩行のペースにあわせて介助します。
2.寄り添い歩行介助
介助の内容
要介護者の斜め後方に立ち、腕を組んだり肩や腰に手を添えたりしながら一緒に歩き、歩行が安定するよう介助します。
要介護者の状態
下肢の筋力低下、軽度の片麻痺、歩行時のふらつきなどによって、自力での歩行が不安定で転倒のリスクが高い状態です。
具体的な介助方法
①介助者は要介護者の利き手とは
逆の側(麻痺がある場合は麻痺側)の斜め後方に立ちます。
要介護者の脇の下に手をいれて体を支え、手を下から支えるように軽く握ります。
②お互いに目線を進行方向に向け
要介護者の歩調にあわせてゆっくりと歩きます。
介助者は要介護者と同じ側の足を出すことで、歩調をあわせやすくなります。
寄り添い歩行介助の留意点
ふらつきや介助量が多い要介護者の場合は、脇の下でなく、腰をしっかり支えるようにします。
要介護者の体重を部分的に支えることになるため、介助者自身の姿勢(足幅を広げて重心を低くする)にも注意しましょう。
3.手引き歩行介助
介助の内容
介助者と要介護者がお互いに向きあい、要介護者の両手を下から支えながら歩行を介助します。短い距離の移動や狭い場所(寄り添い歩行介助が難しい)での歩行に向いています。
手引き歩行は介助者が要介護者の表情を観察しながら歩くことができ、両手を支えているため安心して歩くことができます。
手引き歩行介助の留意点
介助者が後ろ向きで歩く介助となるため、前方や周囲の環境、足もとが確認できず、バランスを崩して介助者と要介護者がともに転倒する可能性があります。そのため、以前に比べて推奨されない介助方法になっています。
手引き歩行介助を行なう場合は使用場面を限定し、後方に障害物がないか必ず目視で確認してから行なう必要があります。