相談e-65 × MY介護の広場
『ボケてたまるか!』の著者 山本朋史記者に聞く
山本 朋史(やまもと ともふみ)
1952年、福岡県生まれ。毎日新聞社を経て83年、朝日新聞社に入社。86年から週刊朝日編集部へ。記者として、リクルート事件、KSD事件、オウム事件などを取材、副編集長を経て編集委員に。
2014年、『週刊朝日』に連載した記事をまとめ『ボケてたまるか!62歳記者認知症早期治療実体験ルポ』(朝日新聞出版)が話題になる。
軽度認知障害(MCI)と診断されましたが、予防のための運動プログラムに必死に取り組みながら記者として働き続けた体験談です。
「もしかしたら自分は認知症では」と思ったきっかけは?
取材相手とのアポイントをダブルブッキングしてしまったことです。記者として絶対にあってはならないミスでした。それで、もしかしたらと思い「もの忘れ外来」を訪ねました。
軽度認知障害(MCI)と診断されて、それからどうしたんですか?
大変ショックでしたが、MCIはまだ認知症になる前の段階で予防に取り組めばまだ発症を防いだり症状を改善したりできる場合もあると聞き、さまざまなプログラムに必死で取り組みました。
お仕事の方は大丈夫だったのですか?
幸い職場の理解を得ることができ、「いっそ、認知症予防に取り組むところをそのまま記事にしたら」と言われ、そんな経緯から生まれたのが「ボケてたまるか」の連載でした。
予防の取り組みの中で、山本さんがいちばん効果を実感しているプログラムはなんでしょうか?
いいと言われたことは、なんでもやってみよう!と取り組みました。絵をかいたり歌を歌ったりもしました。そんな中で、私が一番効果を実感したのは「本山式筋肉トレーニング」と呼ばれる運動プログラムです。それは...
今もトレーニングを続けていますか?
継続は難しいですが、同じ症状に苦しんだり、予防のために一緒に必死に努力する仲間がいることが励みになって続けられたのかもしれません。
最後に認知症やMCIに悩むご本人や家族にひとこと
近くに専門医がいなくても、ネットや電話相談など、相談するツールは工夫次第であります。自分は大丈夫、この程度は誰でもあると思わず、専門医に相談することです。