廊下・階段の住宅改修の項目とポイント

廊下の手すり取り付け
横手すりは水平移動を目的に、縦手すりは主に上下の重心移動のために使用します。また、縦手すりは方向転換やドアの開閉のためにも使用します。横手すりの高さはおおむね手首の高さ付近にしますが、バランスが不安定な方の場合はやや高めに設置する場合があります。
実際にご本人に移動してもらって、取り付けポイントを見つけだすことが大切です。また、いつも壁に手をついて移動している場合は、壁が黒くなっていることもありますので、手すりの取り付けポイントの目安になります。なお、手すりを付ける壁の下地補強も給付の対象となります。
廊下から居室に入る時の
段差の解消
一般的に、廊下が下がっている場合が多いため、廊下の床レベルを全体的に上げます。これに連動して玄関の床レベルも上げることになるため注意が必要です。同時に床材も滑りにくい材質に変更します。
廊下側にすり板状のスロープを設置する場合は、段差は2cmぐらいまでにするのがよいでしょう。これ以上の段差の場合は急勾配になるため、スロープに踵が乗った時に踵が滑ってしまうのでかえって危険です。
またスロープが長いと降りる時に大きくまたいでしまうことがありますので、この場合も危険です。
廊下と室内との床レベルが同じ場合は、敷居撤去の工事が有効です。撤去するといかに歩きやすいかが実感できると思います。しかし、ごく簡単な場合もあれば、見かけよりもかなり手間のかかる工事になる場合もあり、費用は一律ではありません。
階段の手すり取り付け
階段には、階段用の長い手すりを取り付けるとよいでしょう。手を滑らせて使用するため手すりの取り付け部分が袖にひっかからないよう、また端部は壁側に曲げるなどして、安全に気をつけます。
一般的に階段や通路の手すりは、手で握り滑らせるのに適した丸型(直径は32mm~35mm)がよいとされています(身体状況によります)。高さは段のへりから上に測って、ご本人の手首の高さ付近の位置に付けるのが一般的です。昇りきった最後の段から約30cm、降りきった最後の段から約30cm長く取りつけることができると、最後の段も安全に昇降することができます。
階段の滑り止めのための表面加工
滑りやすい建材の階段を滑りにくいカーペット素材などに替えるなど、階段の奥行(踏面)全体に滑り止めを敷き詰める方が望ましいでしょう。
足を引きずる方などの場合には、階段の角に滑り止めのプラスチック補強材を張り付けると、かえって足が引っ掛かる場合もありますので注意が必要です。滑り止めは色の目立つものを選ぶと、階段の角の部分がわかりやすく目の悪い方には役立ちます。
ただし、識別のためだけに色の建材を取り付けることは給付対象とはなりません。
これらは一般的な目安です。身体の状態、現在の建築物の状況等で違いがありますので、必ず専門家とよく相談してください。