トイレの住宅改修の項目とポイント

出入口ドアの取り替え
引き戸への変更、取っ手の取り替えなどは給付の対象となりますが現状にあわせて十分な検討が必要です。なお、取っ手の取り替えについて、古くて回しにくくなったために取り替える場合は給付対象とはなりません。ご本人の指に力が入りにくくなったなどの場合は給付対象となります。
手すりの取付け
便座からの立ち座りに対しては縦手すり、座位を安定させたり、手すりを押しながら立ち上がる方のためには横手すりを設置しますが、多くの場合はL字の手すりを設置します。手すりの太さは概ね32mm~35mmの直径のものを使用します。
縦手すりは便器の先端から25cm程度前に、横手すりは便座から25cm程度上の高さに設置することが多く行なわれます。
片マヒの方の場合は、通常はマヒのない
この場合の縦手すりの位置ですが、概ね肘から肩までの間の位置を握ることが多いので、その前後10cmぐらい伸ばした長さの手すりを設置するとよいでしょう。
とくに縦手すりにしっかり掴まって使用されるときは、手すりにでこぼこしたディンプルの付いているものがお勧めです。便器の周囲に置いて使うタイプのトイレの手すりは福祉用具貸与の対象となり、床や壁にくぎやボルトで固定するものは住宅改修の対象となります。
和式便器を洋式便器に取り替え
和式便器を洋式に取り替える工事は数多く行なわれていますが、取り替えに伴い、暖房便座、洗浄機能付き便座を取り付けることもできます。すでに洋式が設置されている場合は、これらの機能を付けることは対象とはなりません。
水洗式ではない和式便器から、簡易水洗式洋式便器に取り替える場合は、この水洗化の部分は対象外です。ただし、便器の取り替えに伴う、水洗化を除く給排水設備工事、床材の変更は対象となります。
和式便器の上に腰掛便器を設置することもできますが、福祉用具購入の対象として扱われます。形状によっては清掃が困難なものもありますので、購入には十分な検討が必要です。なお、便器の取り替えだけなのに、トイレ全体の模様替えまで勧め、費用が高額になるような住宅改修事業者はさけたほうがよいでしょう。
床の段差の解消と
滑りにくい床材への変更
トイレの場合、廊下などから1段下がっている場合もありますが、回り階段の下にトイレがある場合など、床を上げることはできても天井が低くなるので注意が必要です。逆に、トイレ側に上がりがついている床を下げるときは、配管等の検討が必要です。
これらは一般的な目安です。身体の状態、現在の建築物の状況等で違いがありますので、必ず専門家とよく相談してください。