1.自宅で介護する際の初期対応と心構え
①こうして、高齢者に介護や
手助けが必要になる!?
加齢にともない、今までできていたことが少しずつできなくなります。病気やけがによって心身の状態が大きく変化することもあります。加えて、人間関係、住環境などの変化が高齢者の状態に影響を及ぼすことも少なくありません。
さまざまな要素が関連して高齢者に介護や手助けが必要になります。
- 筋力低下
- 判断力や記憶力の低下
- 排泄機能低下
- 嚥下機能低下
- など
- 脳梗塞や脳出血
- 骨折
- 認知症
- など
- 配偶者の死別による孤立
- 子どもの独立
- ひとり暮らしになり見守りが必要
- など
介護が必要な状態になりやすい病気の症状や予防、リハビリ、介護の留意点などについて解説します。
介護期間は平均4年7ヵ月
介護を行なった期間(現在介護を行なっている人は、介護を始めてからの経過期間)は平均55.0ヵ月(4年7ヵ月)になりました。4年以上介護した人も約4割となっています。
在宅介護の費用は平均5.2万円(月額)
在宅で介護をしている人の平均の月額費用は5.2万円となっています。「1万~2万5千円未満」との回答が一番多く22.8%ですが、「10万円以上」と回答した人も14.4%います。
なお、施設介護の平均月額費用は13.8万円となっています。
出典:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」2024(令和6)年度
自宅で介護した場合に必要な費用や期間、要介護度別の目安など、介護費用の実態を詳しく解説します。
介護は個別性が高く、介護費用の悩みも多岐にわたります。介護のさまざまな段階に応じた介護費用の悩みを11の事例で解説します。
②在宅介護は要介護者主体で
在宅介護は要介護者のためのものです。まずは要介護者が望む生活スタイルを大切にしましょう。
要介護者を中心に置き、専門家の力を借り、話し合いながら、家族もチームの一員として在宅介護に取り組むようにします。
③家族の介護方針を決める
介護には多くの家族や親族がかかわる場合がありますが、スムーズに進めるための司令塔となる人(介護専門職の間では「キーパーソン」とよばれます)がいると良いでしょう。要介護者の配偶者や身内の者で、介護経験があり、家族の信頼も厚く、時間的余裕がある人が司令塔として適任だと思われます。
しかしながらさまざまな家庭の事情により、やむをえず司令塔の役割を担わないといけない人が多いのが現状です。
実際に介護を担う人が司令塔になる場合は、ケアマネジャーに相談しながら、ほかの家族と役割分担するなど、協力体制を築いていきます。
④具体的に動き始める
必要に応じて介護サービス・福祉用具の利用、住宅改修を行ないます。
⑤在宅介護の心構え
- 介護は長期的な視点で。長い目でとらえ、のんびりと介護に臨みましょう
- 介護疲れは必ず来ます。介護者自身の健康管理も怠らないようにしましょう
- 介護の方法は完璧でなくて良い。できる範囲で行ないましょう
- 介護でイライラすることもあります。我慢せずにストレスを解消しましょう
- 介護以外の生活も忘れずに持つこと。介護に自分の人生を捧げる必要はありません
介護は想像以上に大変ですが、制度や周囲の助けを上手に利用しながら、
自分の人生も充実させることが大切です。
介護のストレスから介護うつになる人も少なくありません。介護者の心身の健康を大切にしながら介護に取り組むためのポイントを、さまざまな事例をもとに解説します。
親と遠距離で暮らしている場合、介護の問題に直面して親との同居を考える人も多いです。親の呼び寄せや実家に戻った体験談をもとに、より良い選択のポイントを解説します。
⑥具体的な介護の方法を学ぶ
自宅で介護を行なう際には、正しい知識や技術を身につけることが大切です。自己流で行なうと事故や状態の悪化につながることもありますので気をつけましょう。
具体的な介護の知識や技術を学ぶには、以下のような方法が考えられます。
- 地域包括支援センターに相談し、地域の介護教室で基礎知識や実技を学びます
- インターネットや書籍で介護の基礎知識や実技を学びます
- 訪問介護サービスを利用し、ホームヘルパーに介護方法を教えてもらいます
- 家族介護者の集まり(家族会やサポートグループ)に参加して情報交換をします
身体的な介護の必要度(軽度・中度・重度)に応じた介助のポイントと場面ごと(食事、排泄など)の介助方法について解説しています。