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1.自宅で介護する際の初期対応と心構え

①こうして、高齢者に介護や
手助けが必要になる!?

 加齢にともない、今までできていたことが少しずつできなくなります。病気やけがによって心身の状態が大きく変化することもあります。加えて、人間関係、住環境などの変化が高齢者の状態に影響を及ぼすことも少なくありません。
 さまざまな要素が関連して高齢者に介護や手助けが必要になります。

加齢のため
高齢男性のイラスト
  • 筋力低下
  • 判断力や記憶力の低下
  • 排泄機能低下
  • 嚥下機能低下
  • など
病気やけがのため
病気で寝ている高齢女性のイラスト
  • 脳梗塞や脳出血
  • 骨折
  • 認知症
  • など
環境の変化のため
ゴミ袋を持つ高齢者のイラスト
  • 配偶者の死別による孤立
  • 子どもの独立
  • ひとり暮らしになり見守りが必要
  • など

介護期間は平均5年1ヵ月

 介護を行なった期間(現在介護を行なっている人は、介護を始めてからの経過期間)は平均61.1ヵ月(5年1ヵ月)になりました。4年を超えて介護した人も約5割となっています。

在宅介護の費用は平均4.8万円(月額)

 在宅で介護をしている人の平均の月額費用は4.8万円となっています。「1万~2万5千円未満」との回答が一番多く22.3%ですが、「10万円以上」と回答した人も11.3%います。
 なお、施設介護の平均月額費用は12.2万円となっています。

出典:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」2021(令和3)年度

②在宅介護は本人主体で

 在宅介護は本人のためのものです。まずは高齢者本人が望む生活スタイルを大切にしましょう。
 本人を中心に置き、専門家の力を借り、話し合いながら、家族もチームの一員として在宅介護に取り組むようにします。

介護は高齢者本人が主体の図

③家族の介護方針を決める

 介護には多くの家族や親族がかかわる場合がありますが、スムーズに進めるための司令塔となる人(介護専門職の間では「キーパーソン」とよばれます)がいると良いでしょう。本人の配偶者や身内の者で、介護経験があり、家族の信頼も厚く、時間的余裕がある人が司令塔として適任だと思われます。
 しかしながらさまざまな家庭の事情により、やむをえず司令塔の役割を担わないといけない人が多いのが現状です。

 実際に介護を担う人が司令塔になる場合は、ケアマネジャーに相談しながら、ほかの家族と役割分担するなど、協力体制を築いていきます。

④具体的に動き始める

 必要に応じて介護サービス・福祉用具の利用、住宅改修を行ないます。

公的介護保険の申請
要介護認定の申請を行ない、公的介護保険を利用できるようにします。
ケアマネジャーとの相談
介護保険の認定がおりたら、ケアマネジャーに「生活や介護の希望」「困っていること」などを相談し、介護サービスの計画(ケアプラン)をたててもらいます。
福祉用具の購入・レンタル
車いす、歩行器、手すりなど介護に必要な用具を用意します。
住宅改修の実施
手すりの取り付け、段差の解消など住宅の環境を整えます。

⑤在宅介護の心構え

  • 介護は長期的な視点で。長い目でとらえ、のんびりと介護に臨みましょう
  • 介護疲れは必ず来ます。介護者自身の健康管理も怠らないようにしましょう
  • 介護の方法は完璧でなくて良い。できる範囲で行ないましょう
  • 介護でイライラすることもあります。我慢せずにストレスを解消しましょう
  • 介護以外の生活も忘れずに持つこと。介護に自分の人生を捧げる必要はありません

介護は想像以上に大変ですが、制度や周囲の助けを上手に利用しながら、
自分の人生も充実させることが大切です。

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