3.公的介護保険の申請とサービス利用
①親の介護の「スタート」はいつ?

介護が始まった!とは一体いつの時点のことを指すのでしょうか?
突然の病気で入院、身体機能が低下し、退院した後で介護が始まる場合では介護の「スタート」は明確です。
一方、徐々に「危ないこと」「できないこと」が増えていく場合は、親の年齢を考えれば多少は仕方ないと考え、介護とは思わないかもしれません。
「最近、病院の付き添いが増えている」「腰が痛いといって外出しなくなった」
これはすでに介護が始まっている状態です。
親の日常生活に支障が出てきて、周囲がサポートを始めたときが介護の「スタート」といえましょう。
②公的介護保険を申請する
タイミングは?
公的介護保険を申請するタイミングは、本人または家族が介護が必要だと感じたときです。
介護保険を利用すると、介護サービスの利用や介護予防サービスなどの支援を受けることができます。
早い段階で外部からの支援を受ければ、筋力が落ちないようにリハビリするなど、さまざまな対応ができることがあり、自立した生活を長引かせることができるかもしれません。
また、介護者の負担を軽減することができます。
- 日常生活動作(ADL)や家事などの自立度が低下したとき
- 病気やけがによって日常生活に支障が生じたとき
- 社会環境の変化によって日常生活に支障が生じたとき
公的介護保険を理解するための基本的な知識(対象者、保険料、申請方法、サービスなど)を解説します。
③迷ったら「地域包括支援センター」に相談しよう
地域包括支援センターはおおよそ中学校の学区ごとに1ヵ所を目安に設置されています。
高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるように、総合的な支援を行なう公的な相談機関です。
地域包括支援センターでは高齢者の状態に応じて、さまざまなサポートを行ないます。
1.公的介護保険の対象の場合
地域包括支援センターで申請手続きを行なうことができ、公的介護保険サービスの利用を援助します。
2.公的介護保険を申請する段階ではない場合
自治体独自で提供する高齢者福祉サービス、地域サービスの情報提供や手続きの支援を行ないます。
3.公的介護保険や高齢者福祉サービスには、条件にあうサービスがない場合
地域の民間サービスの情報提供や手続きの支援を行ないます。
地域包括支援センターの役割や機能を詳しく解説します。
自宅での介護に役立つ便利な自治体サービス、民間サービスについて解説します。
④公的介護保険のサービスを
利用する
ケアマネジャーと相談しながら、本人・家族の希望や心身の状態、介護の必要度に応じた介護サービスを利用します。
大きくわけると3種類の介護サービス(「自宅に来てもらう」「施設に通う」「施設に泊まる」)と福祉用具・住宅改修を組み合わせて利用します。
公的介護保険制度で提供される介護サービス・福祉用具・住宅改修について解説します。
要介護度ごと(要介護1~5)の介護サービスの事例と費用を示しています。
複雑な介護保険の費用の仕組みについて、よくある疑問をQ&A方式でわかりやすく解説します。