1.自治体が提供するサービス
自治体が提供するサービスは、大きく二つに分かれます。
一つは、通称「総合事業」と呼ばれる「介護予防・日常生活支援総合事業」。高齢者がいつまでも住み慣れた地域で、元気でいきいきと暮らすための公的介護保険の事業です。もう一つは「福祉系サービス」。
どちらも自治体の助成により自己負担を安く抑えられますが、利用条件があります。住んでいる自治体によって、実施されているサービスメニュー、内容、条件などが異なるため、詳細は市区町村の窓口または地域包括支援センターに相談しましょう。
ここでは参考例を取り上げます。
(1)介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)について
総合事業は介護予防・生活支援サービス事業と一般介護予防事業で構成されています。

要支援認定者・生活機能の低下がみられた方を対象とする事業です。ホームヘルパーや地域住民等が自宅を訪問して支援する「訪問型サービス」、入浴や運動、食事の提供等を行なう「通所型サービス」等を利用できます。
65歳以上のすべての高齢者を対象とする事業です。転倒予防教室や、フレイル予防のための通いの場などを提供する自治体が多いです。楽しみながら介護予防を行なうことを目的としています。
(2)福祉系サービスについて
配食サービス
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昼食や夕食を定期的に自宅に届けるサービスです。手渡しか、置き配か等を選べる場合もあります。安否確認を兼ねるサービスもあります。
普通食のほか、塩分控えめの食事や細かく刻んだ食事等、さまざまな種類を用意できる場合もあります。
緊急通報システム
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急病等で助けを求めたいときに緊急ボタンを押すと、あらかじめ決められたセンターに通報できるシステムです。
火災安全システム
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ひとり暮らし等の高齢者宅に自動消火器や電磁調理器等を貸し出すサービスです。
あんしん位置情報サービス
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行方不明になる恐れのある高齢者にGPS等を活用した位置情報端末機を提供。
携帯することにより、介護者の方が居場所を確認できるサービスです。
高齢者見守りネットワーク
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地域内でネットワークを築き、声かけを行なうことで、認知症の方やひとり暮らしの方をさりげなく見守ります。
ごみ出し支援
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ごみを出すことが困難な方のために、玄関前等でごみの収集を行ないます。
収集時にインターホンを押して安否確認も行ないます。
送迎・移送サービス
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公共交通機関の利用が困難な方にボランティアが外出の手伝いをしたり、寝たきりの方の入院や退院時に送迎したりするサービスです。
紙おむつ支給または購入費助成
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常時おむつが必要な方を対象に、紙おむつを現物支給したり購入費の助成を行なったりするサービスです。
寝具の丸洗い・乾燥
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高齢者世帯、ひとり暮らしの方等で、要介護度が重い方を対象に、布団や毛布の丸洗いや乾燥消毒を行なうサービスです。
出張理美容サービス
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理美容店へ行けない方の自宅へ理美容店から出張し、散髪・洗髪等を行なうサービスです。
福祉電話貸与・相談
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電話機がない方への貸し出しを行ないます。
ひとり暮らしや見守りが必要な方に定期的に電話をして、安否確認や相談対応を行なう自治体もあります。
住宅改修支援
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住まいを安心安全に整えるために行なうバリアフリー改修に対して、公的介護保険の住宅改修とは別に助成を行ないます。
限度額や内容は自治体により異なります。
コミュニティバスの運行

公共交通機関が乏しい地域にバスを走らせ、高齢者の外出をスムーズにします。
車いすでも乗降できるケースが多く、「高齢者専用乗車カード」を発行する自治体もあります。