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介護現場の防犯・防災にかかるリスクマネジメント

第1回 介護現場はどんな災害・犯罪危機に直面しているか?

◇ポイント3 災害・犯罪の被害は防ぐことができるのか

公開日:2017年3月18日

 ここまで述べた事例を振り返ったとき、全国どこの現場でも「明日は我が身」となる可能性があります。では、これらの被害は防ぐことができるのでしょうか。あるいは、避けられない自然災害でも、その被害を最小限に食い止めることは可能でしょうか。結論から言えば、組織としてのリスクマネジメントがきちんと機能していれば、被害を防ぐ、あるいは最小限に抑えることは十分に可能です。
 たとえば、火災の場合、その時に発生する事象(出火や延焼)を想定したうえで、①危険箇所はどこにあるのか、②危険箇所のリスクをどう軽減するか、③被害を最小限に防ぐための初動対応(利用者の避難・誘導など)をどのようにとればいいのか、という課題を普段から検証する風土があるかどうか。これだけでも、事象の発生確率や被害の拡大を防ぐことができます。その点では、他の介護事故防止と考え方は何ら変わることはありません。
 問題なのは、災害や犯罪につながるリスクがどこにあるのかを探るということが、他の介護事故と比較して習慣化されにくいという点です。いったん発生すれば被害は大きいものの、身近で触れたり見聞きするケースが比較的少ないゆえに、現場スタッフのどこかに「他人事」という心理が働いていることが背景にあります。つまり、「身近な課題」という当事者意識が働きにくいわけです。
 この点を考えたとき、まずは現場の意識改革から図らなければなりません。そのためには、身近にリスクが潜んでいることを実感させる機会が求められます。この点を頭に入れたうえで、次回はまず「身近なリスクを把握しつつ、当事者意識を高めていく」という流れを考えていくことにしましょう。

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