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重度の介護サービス利用者が増える中でのリスクマネジメント

第2回 重度の介護サービス利用者対応におけるリスク管理の基本

◇ポイント2 リスク把握の精度が弱いことで生じる事態

公開日:2017年3月18日

 たとえば、利用者に脳梗塞の既往歴があるとします。その後に麻痺などが残る場合、転倒・転落などのリスクが高まります。高次脳障害による空間失認があれば、それに起因する事故も懸念されます。こうした留意点は、現場でも早期から徹底されると思われます。
 ただし、考慮すべき点はそれだけではありません。脳梗塞の既往歴があるということは、その背景に高血圧症などの慢性疾患が原因となっているケースが多いでしょう。心房細動などが引き金となっている場合、心疾患にかかる留意も必要となります。また、高血圧の人の中には糖尿病患者も数多く見られます。糖尿病があるとなれば感染症リスクも高まり、そこに脳梗塞による嚥下障害が加わることで誤嚥性肺炎なども発症しやすくなります。
 つまり、主たる既往歴の周辺には他にも多様な疾病があり、それが互いに影響しあって生活上のリスクが増幅されるわけです。また、複数の疾患がある場合には服薬数も多くなり、その適正な管理や服薬に際しての影響(服薬後にふらつきが生じる、特別な栄養管理が必要になるなど)も頭に入れなければなりません。これらをバラバラにとらえていては、どこかで情報漏れが生じる危険が高まります。
 その点を考えたとき、「その人の疾患・健康状況」→「それに対する留意点」を一つの線で結ぶだけでなく、各項目を関連づけつつ「状態像」を立体的にとらえていくことが求められます。それにより、表に出てこない潜在的なリスクを予測することにもつながります。

第2回 重度の介護サービス利用者対応におけるリスク管理の基本

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