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重度の介護サービス利用者が増える中でのリスクマネジメント

第3回 医療・介護など多職種連携の重要性

◇ポイント3 共有すべき情報をどう伝え、どう活かすか?

公開日:2017年3月18日

 どんなに共有ツールが進化しても、それを活用する専門職側の意識が高まらなければ、リスク軽減の効果を上げることはできません。たとえば、現場の介護職から「利用者の物忘れが進んで適切な服薬管理ができなくなる可能性がある」という“予兆”が医療職にもたらされたとします。そこで医療職からの回答が、「服薬の残量に変化があったら伝えてほしい」というだけでは、本人の認知能力の変動という予兆への十分な対策とはなりえません。

 逆に、医療職から介護職に対し、「患者の血中の各種栄養素の濃度が低下しているから、観察を怠らないように」という指示があったとして、「何を見ればいいのか」が分からなければリスク管理は進みません。たとえば、低栄養とともに褥瘡(じょくそう)リスクが高まることを考えれば、皮膚の発赤(はっせき)などに気を配り、医師の指示書で動く訪問看護師に「具体的な状況」を説明するといった対応が求められます。

 また、①高血圧症の人がいて、②降圧剤などの服薬管理が十分になされていないという現状に「もっとも訪問頻度の多いヘルパー」などが無頓着であれば、最悪の場合、脳梗塞の発症リスクが高まりかねません。少しでも「そういうリスクがある」という意識があれば、事前に医療・看護職に状況を伝えたうえで、ちょっとした異変を見逃さずに救急搬送につなげ、軽症で止められる場合もあります。
 つまり、共有される情報をもとに「何がそこで起こっているのか(起こる可能性があるか)」をしっかり察知できるスキルが備わっていることが必要になるわけです。そのスキルや状況察知の感度を鍛えるにはどうすればよいか。次回はその点を掘り下げます。

第3回 医療・介護など多職種連携の重要性

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