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重度の介護サービス利用者が増える中でのリスクマネジメント

第5回 認知症の人の「重度化対応」にどう備えるか?

◇ポイント2 認知症ケアの体制をどのように見直すか?

公開日:2017年3月18日

 先のような課題に対処していくには、日常的な認知症ケアをめぐる体制から見直していく必要があります。ポイントは3つ。①連携する医療機関や利用者の主治医などから、本人の内部疾患や服薬にかかわるリアルタイムな情報を確実に受け取ることができるかどうか。②「①」で受け取った情報を事業所全体で見落としなく共有するとともに、「それによって本人のBPSDや生活機能にどのような影響が生じるか」を正しく理解できるかどうか。③本人の状態変化などに敏感になり、新たな疾患の発見や多剤投与などによって生じるリスクを早期に発見し、連携する認知症専門医などへ速やかにつなぐことができるかどうかです。
 まず、①ですが、看護職員や介護職員が利用者の通院に同行したり、訪問診療などに立ち会って、主治医などからもたらされる最新の情報を漏れなくヒアリングしなければなりません。問題なのは、認知症により通院や受診への強い拒否などが見られる場合です。特に通院時の誘導ケアは、現場の人手不足の中では介護職員にとって大きな負担となり、他の利用者のケアにも影響をきたしかねません。となれば、地域の医師会などとの連携を深めながら認知症対応に慣れた訪問診療医とのつながりを早期から図る必要があるでしょう。
 そのうえで重要になるのは、主治医や看護師からの「療養上の指示」に対し、それを日常的に間違いなく実践できる内部体制を築くことです。たとえば、利用者の服薬数が増えて誤薬リスクが高まるとなれば、複数の看護職員や介護職員の目視による二重三重のチェックが必要です。このあたりは地域の薬剤師会などから講師を派遣してもらい、内部研修を進めることも必要になるでしょう。

第5回 認知症の人の「重度化対応」にどう備えるか?

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