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重度の介護サービス利用者が増える中でのリスクマネジメント

第6回「看取りニーズ」急増時代の現場対応

◇ポイント2 本人・家族との意思疎通の文化を醸成

公開日:2017年3月18日

 先に述べたように、看取り介護加算を算定する場合には、介護事業所・施設を運営する法人としての看取り指針の策定が必要です。これらを事前に本人や家族に示し、看取り期に入った場合にどのように看取りケアを進めるかという説明を行ないます。同時に、本人・家族の生前意思(リビングウィル)の確認も求められます。
 実際に看取り期に入った段階では、家族などの気持ちに配慮し、「なぜ看取り段階に入ったのか」という説明とともに「看取り介護計画書」を提示し、看取りケアにかかる同意を得ることが必要です。
 こうしてみると、看取りケアに際しては介護事業所・施設などのサービス提供者側と本人・家族との意思疎通のあり方がカギになることがわかります。注意したいのは、加算算定の要件であるからと、形式的に提示書類を揃えるだけでは、いざというときに「納得できない」というすれ違いが生じかねないことです。これを放置すると、最終的には現場の介護職員に強いプレッシャーがかかりかねません。そこで、日常的に本人・家族の気持ちにたった意思疎通のあり方を整え、その風土のうえに看取りケアを成り立たせるという考え方が必要でしょう。
 これらを考慮し、普段から本人・家族に対して「法人が進めているケアの流れ(利用者の受け入れから日常生活の支援、看取りにかかるまでの流れ)」を説明する機会を定期的に設けたいものです。具体的には、家族会の場や、利用者・家族に向けたニュースレターなどを活用する方法があります。また、将来的に利用者になるという可能性を考えた場合、地域の人に対して「これからの時代の看取り」にかかる啓発のための講演会などの開催も大切な手段です。地域理解は、いざ不測の事態が起こった場合に社会的な信用を保つうえでも大きな土台となります。

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