3.介護現場の「書く」習慣を育てよう(2/3)
ポイント2
現場でメモをとる習慣づくりを
介護記録が苦手な人の場合、自分の記憶に頼ることが大きな原因になっていることがあります。その日の業務を終え、記憶をたぐって記録をつけようと思っても、人の記憶力には限界があり、詳細な状況はなかなか浮かび上がるものではありません。
何とか思い出そうと考えるだけで、時間がどんどん過ぎていきます。目の前にあるのは、白紙のままの記録用紙。これでは、「記録は苦痛」という意識が高まるだけでしょう。
そこで、現場でのケアを手がけているときから、その時々に気付いたことをメモする習慣が求められます。例えば、ポケットに入るような小さなメモ帳を用意し、一つの介護シーンの区切りごとに、「利用者の表情や言動」「浮かんできた課題」などを記します。
これを書きためておけば、記録作成の際に記憶をたぐり寄せる助けとなります。メモをとること自体、その場その場で「利用者のどんな点に注意を払えばよいか」という着眼点を鍛えることにもつながります。
メモでの「文字化」が苦手な人は、最初はイラストや図でも構いません。小型のデジカメなどを使って撮影する方法もあります。
大切なのは、振り返りのための材料をたくさん用意することができる工夫です。
「メモを取る」習慣を始めよう