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5.従事者の不安を払う、組織の労働法理解(3/3)

公開日:2017年3月18日

ポイント3 
現場からの相談を積極的に受ける
仕組みを

 管理者クラスの労働法規の習熟に加え、整えておきたいのが、現場で働く人からの労働相談を受け付ける仕組みです。

 介護現場では、「利用者の心身の健康や人権」を第一に考える土壌があります。これ自体は当然のことですが、ときとして「働く人の健康や人権は二の次」という空気にすり替えられることがあります。
 この空気が蔓延すると、働く立場の悩みを訴えることがタブー視されがちで、結果として働き手の悩みが表に出にくくなったりします。

 さまざまな悩みが表に出ないまま蓄積されていくと、それが臨界点を超えたとき、いきなり退職に至ったり、労働基準監督署にかけこまれたりするケースも生じます。
 こういう事態を招く前に、小さな悩みでも相談できる風土を作っておくことが肝要です。それはとりもなおさず働き手と事業所との信頼関係を構築するということであり、長い目で見れば、離職率を抑える効果的な方法でもあるといえるのです。

 そのポイントとなるのは、労働相談を受け付ける担当者を固定し、「直属の上司だと言いにくい」という空気を払しょくすることです。つまり、組織上で専門の担当者を立てた場合には、「相談内容に関する守秘義務がきちんと履行されるのだ」という安心感を生み出すことにもなります。
 また、受けた相談については、たとえ解決までに時間がかかることが考えられる場合にも、相談者には定期的に経過報告をするということも必要です。これが相談者に不信感を抱かせない肝心なところです。

 以上に見たように、組織づくりを含め、離職防止にはやはり職場環境の整備が大きなカギをにぎります。最終回となる次回は、離職を防ぐための職場環境について考えてみましょう。

組織内に「労働相談」を受ける
専門の担当者をおく

「組織内に「労働相談」を受ける専門の担当者をおく」の図の画像

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