老後破産 長寿という悪夢
- 著者名:NHKスペシャル取材
- ISBN:978-4-10-405606-4
- 出版社名:新潮社
- 価格:1,300円(税抜き)
- 発売日:2015年9月30日
日本には一人暮らしの老人が約600万人おり、そのうち約200万人の老人が、年金だけで暮らし、生活保護水準を下回る状態で生活しているといわれています(2014年現在)。
このような人達が、ひとたび病気や介護が必要になったりすると、とたんに生活が破たんするという現実を「老後破産」と名付け、NHKが2014年に番組を制作・放映。大きな社会的な反響を呼びました。本書はこの番組で紹介しきれなかった内容も含めて描きなおしたルポです。2015年7月に発行され、わずか2カ月で増刷が9回に及んだことからも、どれだけ多くの人が老後に不安を覚えているかがうかがえます。
このような「老後破産」に陥るのは、特別な人々ではありません。かつては企業で働き、年金支給もあり、自宅を所有し、ある程度の預貯金もあります。
それなのに、必要な医療はおろか、食費が1食100円以下で、十分な食事もとれない高齢者の厳しい現実。
いったい、どのような状況から「老後破産」に到るのでしょうか。
たとえば配偶者の死亡で年金が激減し、一人分の年金では暮らせなくなり、貯金のみでは老後を過ごすということが不可能になる人もいます。
また、老後の病気やケガによる医療費負担が想定外にかかる人もいます。さらに、我が子のリストラがきっかけで親子共々連鎖的に破産に到ることもあります。
「こんな老後を予想できなかった」と言う悲痛の叫びに、サブタイトルの「長寿という悪夢」という実態が浮かびあがってきます。