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親不孝介護 距離を取るからうまくいく

  • 著者名:山中浩之、川内潤
  • ISBN:978-4-296-10884-8
  • 出版社名:(株)日経BP
  • 価格:1,600円(税抜き)
  • 発売日:2022年10月11日

 育ててもらった恩もある。親が年をとって日常生活が危うくなってきたら、面倒を見ることが、子どもの責任でもある。だから、「できれば親のそばに暮らして介護しなければ」と考える人が多いのではないでしょうか。

 しかし、現実に親の介護が始まると、なかなか思ったようにはいきません。「親のためを思って」している行動が、自分や家族を追いつめ、思わず、きつい言葉ばかり出てしまう。親孝行のつもりが親の孝行に繋がっていかない。親も自分も幸せになるはずだったのに。

 著者は、「普通ならば『親孝行』と考えられる同居が、親も、あなたも不幸にしてしまうことが多いのです。しかも良いことをしているつもりだから、始めてしまったら止めにくい」と言います。
 ではどうしたら親孝行になるのでしょうか。
 まずは「介護=親のそばにいる=親孝行」という固定的な考え方を、打ち破ることだといいます。そして親と子の間に適切な「距離感」をとることを勧めています。

 本書は「介護が必要な遠方で暮らす母親を、東京に呼び寄せるか迷っている」Yさんに対し、NPO法人「となりの介護」代表の川内潤さんがアドバイスする形で具体的に展開します。川内さんは長年、大手企業での介護相談を引き受け、担当した1,743件の事例から導き出したという「親不孝介護」という介護の考え方を提案しています。

 なにがいったい「親孝行」で「親不孝」なのか。本書は、親への向き合い方を通して自分の生き方を問いかけてきます。

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