認知症世界の歩き方
- 著者名:筧祐介(issue+design)
- ISBN:978-4-909044-32-7
- 出版社:(株)ライツ社
- 価格:1,900円(税抜き)
- 発売日:2021年11月7日
認知症関連の本はたくさん出版されています。今までは「医学的な情報」や「介護する周囲の対応」が中心でしたが、近年「認知症の本人」の気持ちや困り事をテーマにした本が増えてきました。
本書は、副題に「認知症のある人の頭の中をのぞいてみたら?」とあるように、認知症の人100人あまりにインタビューし、本人に起こっていること、感じていることなど、当事者の声をもとに書かれています。
その声を「旅のスケッチ」「旅行記」の形式でまとめ、読者は認知症世界の旅人として「体験」し、本人になぜそのような状態が起こるかを学びます。
旅人は、「乗るとだんだん記憶をなくす ミステリーバス」に乗り、行き先は「人の顔が分からなくなる 顔無し族の村」「入るたびに泉質がかわる 七変化温泉」など。認知症の人が生きている世界を13のストーリーにしたて、地図やイラストで「見える化」しています。
本書にはさまざまな仕掛けがあります。
認知症世界の歩き方ポータルサイトがあり、書籍と連動して、動画、ゲーム(認知症世界の歩き方Play)といった形で展開し、誰もが身近に感じ楽しみながら認知症について知ることができるように工夫されています。
著者は医師でも介護関連者でもなくデザイナーで工学博士の筧祐介氏。
「デザインとは、人間とモノ・サービス・環境・情報との幸せな関係を創る行為。認知症の課題解決は、デザイナーの仕事」と確信し、この本を著したと言います。