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東大教授、若年性アルツハイマーになる

  • 著者名:若井克子
  • ISBN:978-4-06-526668-7
  • 出版社名:(株)講談社
  • 価格:1,400円(税抜き)
  • 発売日:2022年1月13日

 東京大学の教授であり、5つの言語を学び国内外を飛び回る学者、と聞けば"脳細胞を駆使した生活"で認知症からほど遠いのではないか、とのイメージがあるのではないでしょうか。

 若井晋さんの異変は、今まで問題なく書いていた漢字を思い出せなくなった違和感から始まりました。パソコンばかり使うから漢字を忘れたのでは、と思いつつ検査を受けます。診断の結果は「若年性アルツハイマー病」。
 東大に赴任する前は脳外科医として臨床の現場に立ち、脳を熟知し脳の病気を人一倍恐れていたといいますから、診断結果には専門家ゆえの苦悩があったにちがいありません。

 本書は、若井さんが2006年に東大を早期退職して、2021年に永眠するまでサポートを続けた、妻の克子さんによる認知症の家族としての15年間の記録です。
 長い苦悩を経て若井さんが出した答えは「あるがまま」に、認知症と向き合いながら豊かな人生を模索していくこと。当事者として病気についての講演を行なうなど社会とかかわり続けていきます。
 やがて症状が進んでいったとき、本人は、そして家族はどのように考え、行動したのでしょうか。
 「けれども私は私であることがやっとわかった」。そして何も分からなくなると考える人たちに「そうではないんだよと伝えたい」という言葉が胸を打ちます。

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