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認知症は決断が10割

  • 著者名:長谷川嘉哉
  • ISBN:978-4-7612-7799-4
  • 出版社:(株)かんき出版
  • 価格:1,500円(税抜き)
  • 発売日:2025年3月19日

 ご家族のひとりが認知症と診断されると、ご本人やご家族はいろいろな「決断」をせまられます。それは、医療機関の選択、介護サービスの利用、財産管理、住まいの問題、そして最終的に看取りに至るまで、多岐にわたります。認知症の初期の段階であれば、患者さん本人が「決断」することもできますが、病気の進行にともなって、やがて家族が代わって「決断」することが必要になります。本書は、その「決断」に焦点を当て、認知症を「病気」として恐れるのではなく、「関わり方」で大きく変わる"生活のかたち"として捉え直し「最善の決断を下すため」に役立つ認知症ガイドです。

 著者は長年にわたり現場で認知症の人と向き合ってきた専門家。その経験をもとに、「いつ、どんな決断をすべきか」「その決断が、本人の生活や尊厳にどう影響するのか」を、具体的なエピソードを交えてわかりやすく解説しています。本書では医師や介護職だけでなく、家族、地域、そして本人が"どう関与するか"という視点から語られています。

 特に、認知症になった本人の意思をいかに尊重するか、あるいは意思決定能力が低下した場合に誰がどのように決断を下すべきか、といった心配りが必要な問題についても、現実的な視点から考察を加えています。感情論だけでなく、法的な側面や社会資源の活用方法まで網羅されているため、漠然とした不安を具体的な知識に変えることができます。納得できる方向性を一緒に探っていく構成は、読者の思考を自然と深めてくれます。

 本書が伝えるのは「正解はひとつではない」ということ。そして、「認知症になったら終わり」ではなく、「認知症でも、決断しながら生きていける」。そう信じたくなる力強い一冊です。

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