介護離職が頭をよぎったら整えたい 仕事・家庭・自分自身のこと
- 著者名:和氣 美枝
- ISBN:978-4-7981-9105-8
- 出版社:(株)翔泳社
- 価格:1,800円(税抜き)
- 発売日:2025年7月22日
著者の和氣美枝さんは現在(2026年1月現在)レビー小体型認知症で要介護5の母親と同居しながら働く現役の「シングルケアラー」です。30代で母親がうつ病を発症し、2009年に一度介護離職を経験しました。その後、職を転々とする「人生のどん底」を味わったといいます。
本書は、介護離職を防ぐことだけを目的とするのではなく、読者が自分の人生に向き合い、納得してキャリアと介護を両立させ、あるいは自ら納得のいく選択ができるように構成されています。
本書では、著者がキャリアコンサルタントとして企業の制度に精通していることから、制度論に留まらず、現場で起こる「言い出しにくさ」や「精神的な孤立」といったリアルな課題に対する解決策が示されています。
主な内容は、家庭環境、職場環境、自分自身の心身の環境という「3つの環境」を"最適化"するための具体的なノウハウや考え方です。全5章構成で、「キャリアと介護の両立は可能か」という問いから始まり、社会保障の基礎知識、家庭・職場の整え方、そして最終的には「自分の心の守り方」までを網羅しています。
本書の最大の特徴は、介護を受ける本人(対象者)ではなく、「介護者であるあなたはどうしたいのか」という「自分目線」を貫いている点にあります。
著者は、介護者の不幸の本質は「離職そのもの」よりも「選択肢が見えなくなること」にあると説いています。「介護があっても自分の人生をあきらめない」ということを強く訴えています。
専門家としての知識と、現役介護者としての共感、そして一度離職で苦い経験をしたからこそ言える教訓が詰まった、働くすべての世代にとっての心強い味方となる一冊だと言えるでしょう。