3.生命保険会社の指定代理請求制度
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①生命保険会社の指定代理請求制度とは
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被保険者本人に特別な事情がある場合(傷害または疾病により保険金等を請求する意思表示ができない、治療上の都合により、傷病名または余命の告知を受けていないとき等)、契約者があらかじめ指定した代理人が被保険者に代わって、保険金等を請求できる制度です。
代理人を指定する際に、契約者は被保険者の同意を得る必要があります。
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②指定代理請求人には誰がなれる
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・被保険者の戸籍上の配偶者、直系の血族、兄弟姉妹、3親等以内の親族
・保険金等の受取人のために保険金等を請求する適切な関係があると生命保険会社が認めた者
①被保険者と同居している者(内縁関係の配偶者、同性パートナー等)
②被保険者から委任を受ける等により、被保険者の財産の管理を行なっている者
※生命保険会社によって指定代理請求人の範囲が異なります。
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③指定代理請求人ができる手続き例
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・被保険者が受取人になっている保険金・給付金
(入院給付金、手術給付金、高度障害保険金、リビング・ニーズ特約保険金、介護保険金等)※生命保険会社によって、指定代理請求できる保険金・給付金の種類が異なります。
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生命保険会社の指定代理請求制度(例)



FPのアドバイス
Q.父の認知機能が低下しているなか、今回、肺炎で入院しました。被保険者の父が入院給付金の請求ができない状態です。保険給付金はでるのでしょうか。
Q.父はがん告知を受けておらず、家族のみが知っています。
A.そんな場合に備えて、指定代理請求人を指定しておけば、被保険者本人に代わって給付金等を請求することができるので、安心です。
●注意点①
どのような生命保険に入っているか、指定代理請求人を誰にしているか等、健康なときから家族と共有しておくと安心です。
●注意点②
指定代理請求人は生命保険の請求はできますが、生命保険を解約することはできません。
解約の場合、被保険者本人に代わり手続きを行なうことができるのは、通常、成年後見制度における成年後見人や任意後見人に限られます。
執筆者:津坂 直子/つさか なおこ
ファイナンシャルプランナー・
特定社会保険労務士・年金アドバイザー